聴きたいのは名曲ではなく名演奏(メルセデスベンツE220d ステーションワゴン試乗記)

最終更新日: 公開日:2015-11-25 | Posted in よもやま話 by

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先週はメルセデスベンツの新車整備センター累計整備台数100万台突破ということで、急遽メルセデスベンツ日本からお誘いただいたもので、愛知県豊橋まで出かけてきました。お誘いをいただいたついでに「折角なんで、何か試乗させていただけたりします?」まったく何が折角なんだかは全く謎に包まれていますが(笑)、快くE220d アバンギャルドステーションワゴンを貸していただけることになったという次第です。

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現在メルセデスベンツEクラスは、単一車種で2種類のディーゼルエンジンをチョイスできる唯一の乗用車ではないでしょうか。2014年に関西往復の際に拝借した6気筒のディーゼルは、間違ってガソリンを借りたのではないか、だとすると燃料ハイオク?燃費もディーゼルの半分とかかなあ・・・ガクガクと勝手に恐れ戦きつつ、フューエルリッド(キャップ)と後ろのバッジを確認するため、クルマを停めて確認したほど、静かでした。今でもあの感動は忘れられません。今回の、2015年になって大量導入している4気筒ディーゼルエンジンはどんな感じかしら。メルセデスコネクションで少しだけ乗せていただいたことはありますが、やはり最低豊橋くらいさくっと行って帰ってこないと、それなりのことは言えないのではないか、という口実のもとに憧れのドンガラ(褒め言葉です)実用ディーゼル乗用車をテストドライブさせていただくことになったわけです。

その感想を今週は少し綴っておこうと思います。

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フロントに納まるエンジンが「4気筒のディーゼルエンジン」であることの価値

まず何よりも、運転席に座るや否や「ああ帰って来た。」と思えるあの瞬間は間違いなく「メルセデスな瞬間」だと思います。別に何か射幸心をあおるような扇情的なギミックや、演出の盛り込まれた空間ではありません。しかし、あるべきところにあるべきモノがあって、十分にゆとりがあって、新車なのに「懐かしい」のです、どこかしら。

日本車のウィンカーレバーのようなところにあるシフトセレクターを「D」にセットし、走り始めると、たちまち実は驚くほど大きい荷室を背負っているワゴンであることを忘れそうなしっかりとしたボディの感覚を実感するのです。そしてメルセデスベンツ日本がある駐車場からスロープを上がり、ホテルオークラとアメリカ大使館に通じる道へクルマを出そうとした瞬間に「君、任せておいて大丈夫だね。」と思わせられたのです。決して分厚い、扁平率からいって乗り心地重視だな、などというタイヤは履いておらず、当然にスタイリッシュ、当然に大きく重たいボディをそこそこのハイペースで振り回し、クルマを支えるのに必要な幅とグリップを稼ぐことも考慮した薄めのタイヤです。それでも嫌みのある突き上げは皆無です。それどころかどういう路面かのインフォメーションもタウンスピードから得られつつ、歩道をまたぐ際の低くなった縁石などを越える時に「ぴょこん」というサスペンションの伸び縮みがしっかり感じられるのです。もっちりと、いちいち「面取り」をしてくれて振動を伝える心づくしは「あ、メルセデスメルセデス♪」とその都度思うのです。

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ここまでのわずかな間に、まず「全方位にわたってお金がかかっている」ということ。「足回りに関しては完全にキャパが勝ってる」ということを気づかせてくれました。これはすなわち、6気筒より軽く全長の短いエンジンは、ガソリン4気筒よりは重たい。そういう質量をボンネットの下に抱えていることがハンドリング、乗り心地に影響していると言うことの気づきと言っていいかもしれません。エンジンのマウント、各種の遮音材、ステアリングから伝わる剛性感、そして6気筒エンジンを積むことを前提に設計の中値を設定しているのでしょう。各ディメンションから少しづつ生じる余裕が強く伝わってくるのです。

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真夜中に箱根を越えて三島へ降りる途中、この鼻先の軽いハンドリングは適度に小気味よいもの。しかし、軽く滑らかながら、ばたついたり、ふらついたりすることはもちろんありません。感覚より少しだけ早く、十分な蛇角を得られます。車速との連携も絶妙。どんな状況でも切りすぎることが無い。リニアに曲がっていく感じは鋭さは無いが明確にシャープ。刺激やスリルは無いがはっきりとドライバーズカーだと感じさせてくれるのです。

すべて、このエンジンの発生出力に加えて、重量物としての主張として、このクルマに実にあった内容で、絶妙なマッチングの妙を見せてくれる。6気筒よりは確実に大きめなノイズながら、絶対的には静かで滑らか。もともとシルキーで「ビロードの触り心地」の感覚を見せてくれるタイプではないはずです。秀逸な躾のされた上等な道具としての自動車こそ「メルセデスベンツの中型車(ミディアムクラス)〜Eクラス」なのです。「メルセデスの世界」はこのクルマにはしっかり宿っているのです。

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この記事の筆者:中込 健太郎

大手自動車買取販売会社で、クルマの売買業務を経て、本社マーケティングチームに異動。WEB広告を担当し...