Uberが停止した「ライドシェア」はトラブルの元?それとも社会構造を変革する救世主か

最終更新日: 公開日:2015-08-31 | Posted in テクノロジー by

今年3月、米Uber社が福岡市で2月に開始したライドシェア(相乗り)サービス「みんなのUber」が、国土交通省の指導により中止された。北米をはじめとして海外では人気を集めているライドシェアサービスだが、日本では何が問題とされ、どんな課題があるのだろうか?


(Uber公式サイトより)

相乗りでコストを削減する「ライドシェア」

ライドシェアとは、会員どうしが自分のクルマを都合しあって乗り合い移動する仕組みのサービスだ。自動車そのものを共有する「カーシェア」をさらに押し進め、同じ目的地を目指す他人どうしが乗り合っていこうというわけだ。ライドシェアにより個人が自動車を持つ必要が少なくなるため、自動車が減り、資源消費は最適化され、交通全体がスムーズになる。

Uberが停止した「ライドシェア」は、社会構造を変革する救世主か、違法な白タク行為か?
▲ライドシェアサービスとして「Lyft」。Lyftに登録し、相乗りを提供するクルマはピンクのヒゲを付けている(Lyft公式サイトより)

自動車を提供する人は自分がどこからどこまで行くのかを提示して同乗者を募り、相乗りする側はサービスが規定する料金を支払って移動する。このとき料金の支払いが発生するため、いわゆる白タク行為にあたるという懸念があるが、社会通念上、高速道路の交通費やガソリン代、駐車場代は根拠のある額を提示できるため、それを頭割した額と大きく乖離していなければ問題ない、という解釈だ(海外では「寄付金」という扱いにしているサービスもある)。

海外ではタクシーの数が足りていないにも関わらずタクシー運転手の認可待ちが10年以上もあったり、もともとカープール(乗り合い)が推奨されているなど、タクシーに代わるサービスに対する需要も、ライドシェアを受け入れる素地もあった。そこにスマートフォンで乗り合いする側、される側を柔軟にマッチングする手段が提供され、一気にサービスとして開花した、というわけだ。

Uberは何が問題だったのか

Uberはもともとハイヤーの配車サービスとしてスタートし、やがてタクシーの配車、そしてライドシェアにも参入してきた。日本では産学連携機構九州と共同で、2月より福岡市で「みんなのUber」としてライドシェアサービスの試験提供を開始した。このサービスでは、スマートフォンのアプリで希望の場所を指定すると、近くを走っている参加者がタクシーのように送迎してくれるというもので、利用料金は無料。クルマを提供するドライバーには、データ収集に協力した報酬として、Uberから報酬が支払われるという仕組みだった。

この「みんなのUber」に対しては、当初より国土交通省が道路運送法に抵触すると難色を示しており、3月にはUberが「実証実験のフェーズ1は終了した」としてサービスを終了した。

Uberが停止した「ライドシェア」は、社会構造を変革する救世主か、違法な白タク行為か?
▲Uberが公開した「みんなのUber」実験終了のお知らせ。あくまで当初計画通りの終了であることを強調している。(Uber公式サイトより)

あわせて読みたい記事

この記事が気に入ったらカレントライフに「いいね!」しよう

最新情報はFacebookページでチェック

この記事の筆者:海老原 昭

IT業界を中心に、政治経済からオタク業界まで、基本なんでも屋のフリーライター。輸入車のマニュアルや...