ドイツの都市型列車「ライトレール」は日本の交通事情の参考になるか?

最終更新日: 公開日:2015-08-17 | Posted in テクノロジー by

年々増え続ける自動車の交通量は、どの国においても都市部での頭痛の種だ。自動車と人のみならず、さまざまな交通機関への影響も考えねばならない。自動車先進国であるドイツでは、自動車に加え、ライトレール(都市型鉄道、LRT)などの代替交通機関をうまく活用しているという。こうした試みは日本においても有効なのだろうか。


▲ニュルンベルグの地下鉄は一部で無人車両による自動運転が始まっている

都市型列車=ライトレール

欧州ではイギリスなどに代表される、都市部への自動車乗り入れを有料化するなどの試みが行われているが、根本的な解決としては、自動車がなくても人々が目的地へ行きやすいよう、目的地にほど近い公共交通機関の充実した街づくりが必要だと言えるだろう。

ライトレール(LRT)はそんな都市部の輸送機関として、もともとは1970年代に北米で誕生したものだ。ライトレールは概ねバスや路面電車以上、地下鉄や通常の鉄道未満、といった位置付けになる。「次世代路面電車」という言われ方もするが、LRTは高架や地下を走ることもでき、路面電車より走行速度も速い。都市型小型鉄道、という認識が正しい。


▲サクラメント市内を走るライトレール。米国ではライトレール網を持つ大都市が多い
photo by Sacramento Regional Transit District Siemens[CC] (Wikimedia Commons)

ドイツでも、1960年代にはライトレールと同様の性格を持つ「シュタットバーン」(都市間鉄道)が登場している。もともとドイツは路面電車網が発達していたが、第二次大戦後のモータリゼーションの発達により、交通渋滞解消のため、都市部において、公共交通機関と私有車で別の道路を走らせるような政策が進められた。このうち公共交通機関については、路面電車をシュタットバーンとして再構築することで輸送力を拡大することになる。シュタットバーン/ライトレールの概念は欧州の他国・他都市へも伝わり、欧州では多くの都市でライトレールが利用されている。


photo by Christian0911 [GFDL or CC-BY-SA-3.0](Wikimedia Commons)

シュタットバーンは路面電車だけでなく、地下鉄としても運用されており、ニュルンベルグの地下鉄3号線をはじめ、高架線などで自動運転車両も導入されている。自動運転により、運転席分の輸送力が増えるとともに、電力消費が15%減り、電車の運行にかかる行程もほぼ半分にまで短縮できたため、増発も可能になるなど、自動化の効果は大きかったようだ。ただし、車両に加え信号設備など導入コストがかかることもあり、全体としては自動化の導入はあまり進んでいない。また、自動車が走る路面電車区間では事故の可能性も高く、自動運転を導入するには時期尚早といったところだろう。

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この記事の筆者:海老原 昭

IT業界を中心に、政治経済からオタク業界まで、基本なんでも屋のフリーライター。輸入車のマニュアルや...