EV(電気自動車)の普及で既存の自動車ブランドは消滅するのか?

最終更新日: 公開日:2015-07-27 | Posted in テクノロジー by

そもそも内燃機関の自動車と電気自動車では、必要な部品点数が大幅に異なる。自動車メーカーを頂点に、関連の部品メーカーを多数従えたピラミッド構造を構成する必要はない。元はバッテリーメーカーの子会社である中国のBYDのように、ひとつでも得意な分野があれば優位性を打ち出せるため、家電メーカーなどの参入も容易だ。

EV(電気自動車)の普及で既存の自動車ブランドは消滅するのか?
▲表:エンジン自動車と電気自動車の部品点数の違い
吸排気系や駆動系がほとんど不要で、冷却系なども簡素な作りに抑えられる。トータルとしての製造コストは電気自動車が有利になりうる

今や家電やパソコン、スマートフォンに至るまで、基本的なスペックだけを決めれば、必要な設計と製造を担当してくれる専門のメーカーがいくつも存在する状況だが、電気自動車の普及が進めば、こちらもやがて設計/製造専門のメーカーが現れる可能性が高い。電気自動車が普及するということは、これまでの自動車産業の垂直統合型の構造が、水平統合型に変革していくことに他ならない。

既存のブランドは生き残れるか?

テスラという新興メーカーが一定のブランド価値を生み出すに至ったわけだが、ここにさらにアップルやGoogle、Microsoft、ソニー、パナソニックといった世界的ブランドが参入してきたとしたらどうだろうか。もちろんトヨタやVWといった世界的メガブランドはそう簡単には揺るぐまいが、これがもっとマイナーなブランド、たとえばホールデンやセアトだったらどうだろう。何か特化した特徴でもない限り、存在感を失ってしまうのではないだろうか。

もちろん、新興メーカーが既存ブランドを買収し、自分たちの看板として使うことも考えられる。その場合ブランドとしては生き残れるが、内容としてはまったく違ったものになるだろう。

かつてT型フォードが自動車市場を席巻するまで、米国には69もの自動車メーカーがあったが、T型フォードの登場後、わずか7年後には半減したという。このような大掛かりな業界再編が、100年の歳月を経て再び起きるのか、注目したい。

[ライター/海老原昭]

この記事が気に入ったらカレントライフに「いいね!」しよう

最新情報はFacebookページでチェック

この記事の筆者:海老原 昭

IT業界を中心に、政治経済からオタク業界まで、基本なんでも屋のフリーライター。輸入車のマニュアルや...