コネクテッド・カーはハッキングし放題?自動車業界は先手の対応をしていくべき。

最終更新日: 公開日:2015-08-10 | Posted in テクノロジー by

今やさまざまな車両に搭載されているのが当たり前になった車載ディスプレイとエンターテインメントシステムだが、進化の裏ではこれまでにない、非常に危険な問題も引き起こしている。果たして自動車業界はこうした問題に適切に対応できるのだろうか。


▲自動車の車載システムはハッカーの脅威に晒されはじめている

スマートフォンから自動車が乗っ取れる!?

ジープ・チェロキーでハイウェイを走行中、突然エアコンが冷気を最大風量で吹き出し、ワイパーとウィンドウウォッシャーが動きだし、あまつさえスローダウンまでしてしまう。そして車載ディスプレイには遠隔操作でクルマを操っていたハッカーたちの姿が……こんなショッキングな映像が米WIRED誌で公開され、クライスラーは140万台以上の車載エンターテインメントシステム「Uconnect」搭載車のリコールを行った。

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▲大規模なリコールにも関わらず、Uconnectのウェブサイトにはリコールに関する情報が表立って表示されていない。このあたりに危機感の薄さが感じられる(Uconnectサイトより)

これは、8.4インチの車載ディスプレイを搭載する「Uconnect」搭載車に共通する脆弱性に起因する問題だ。これらの車両は米携帯電話会社Sprintのネットワークを使い、スマートフォンのアプリ経由でリモートでロックを解除したり、エンジンをスタートするといった操作が可能なのだが、そこを突いて、対象となる車両のIPアドレス(インターネット上で機器を特定するために割り当てられる番号のこと)がわかれば、インターネット経由で車両にアクセスし、遠隔操作できることが証明されてしまったのだ。

幸い、この問題を解決するためのソフトウェアパッチ(ソフトウェアの問題を解決するアップデータ)が配布され、次いでリコール処理となった。また米Sprint社もインターネット側から車両を特定してアクセスできないような仕組みに切り替えたという。今の所、この問題で事故が起きたという報告も今のところはない。

しかし、その後もGMの車載情報システム「OnStar」にも同様にセキュリティホールが見つかり、スマートフォンからドアロックを解除したり、リモートスタートできる様子が公開されるなど、インターネットに接続できる、いわゆる「コネクテッド・カー」には脆弱性の問題がまだまだ登場する余地がある。

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▲GMのOnStarもわずか100ドル程度のパーツを組み合わせてあっさりとクラックされた。GMは問題の修正を行ったが、まだセキュリティホールはふさぎきれていない(Youtube:Samy Kamkarより)

安全対策が後手後手に回る自動車業界

自動車業界はこれまで、衝突時などの乗員安全性には気を配ってきたが、それ以外ではせいぜい、イモビライザーなどの盗難対策を講じる程度だった。自動車は物理的に動かさなければならない乗り物なので、これまではその程度の対策だけで十分だったわけだ。

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この記事の筆者:海老原 昭

IT業界を中心に、政治経済からオタク業界まで、基本なんでも屋のフリーライター。輸入車のマニュアルや...