この国の夏を満喫したくなる「サーブ9-3カブリオレ」試乗レポート

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時々不思議になるのが「クルマにとって、行き着くところは、果たしてスポーティーさなのだろうか」ということです。それはまたシトロエンが好きなところ理由にも通じるところでもあります。猫も杓子も高級仕様=スポーティーな味付けというところに、何ら疑問も持たない風潮から一定の距離を置いているような車種ごとのキャラクタライズ。そんなをことが感じられ、ある種の主張を感じるのです。例えばBMWのようにそのメーカーの歴史、出自自体がそうさせるものはいいですが、何でそのクルマで最上級グレードがSPORTなの?とか1990年から2000年前後のクルマでは、特にそんな流れを感じたことがありました。しかもその表現方法が何やらひたすら硬いだけだったり。どこか浅さを感じさせるものも少なくありませんでした。

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実は今回、少し試乗させていただいたサーブ9-3カブリオレもそんな時代のクルマなのですが、この時代に、そのクルマの「味付けに関する妙」を感じさせるクルマ。改めて試乗してみて、結論としてこの点に最も感銘を受けるクルマだった、というのが私の感想です。サーブ9-3カブリオレについて、諸々少し振り返りたいと思います。

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サーブ9-3カブリオレは決して小さなクルマではなく、実は割と大ぶりなこのクルマのフォルムは、この一つ前のサーブ900のそれに由来します。古風なセダン、2ドアと4ドアがありましたが、この代になってはどちらかというとオリジナルの2ドアモデルに近いフォルムでハッチバックボディを採用し、3ドアと5ドアでラインナップを構成。それにやはりオリジナル同様オープンモデルが用意されることになります。フル4シーターカブリオレは実はかなり稀有な存在で、このクルマでは大人4名がゆったりと乗ることができる室内が用意されています。このクルマに都内から上尾までを往復、多くを首都高速が占めるルートで市場をすることができました。

▼このシートの大きさは車の包容力。そう言ったら言い過ぎだろうか。見た目はそれほどでもないが、このシートに身を委ねる幸せは、筆舌に尽くしがたい
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まず気づいたのは、手に触れるものの樹脂っぽい感触です。これはこの時代のほどほどのクラスまでのクルマではよくあることなのかもしれません。機関系などを共用していたオペルベクトラなどに乗ってもそれは同じような感想を覚えたものです。当時の雑誌には「プラスチッキー」とよく書かれていました。ただし、妙なガタがないのはこの個体の素性の良さでしょうか。まだ30,000キロを刻んでいないという個体は伊達ではないな、と感じさせます。そしてあまり荘厳で重厚でないタッチの、しかも滑らかさがある操作感は、妙に高級ぶらず、かといって、肩がこりそうな、ともするとせわしなく走りこませようとするようなところがなくそれは快適なものでした。

▼黒子に徹した、というのでもなく、なかなか他にないキャラクターのエンジン。平常心で優しく踏んで常に潤沢なトルクを発生する。実用的で見識を感じる好感の持てるエンジンだ
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サーブ9-3カブリオレのエンジンは、2リッターのターボエンジンを採用。低回転から潤沢なトルクを発生し続けます。それほど踏み込まなくても十分な加速が得られ、むしろ「急かされる」感じが全くありません。FF車の良さでもあるのでしょうが、刺激的でクイックな印象とは異なりますが、それでもある程度の車速までハンドルさばきがダイレクトにクルマの動きと同期し、これも若々しい心地よさがあります。また4シーターカブリオレとして丁寧な設計であると感じられるところも随所に見られます。

大きなレバーを引き確かな操作感と動きで、確実にリリースされるのがわかる幌のロックを外せば、あとは開閉は全自動。さらにリアシートの横の小窓まで全開も全閉も可能な作りになっているので、ルーフを開けたまま、窓を全て閉じておくことが可能なため、こうしておくと走行中の風の巻き込みは最小限に抑えながら、驚くほど快適なオープンエアードライビングが楽しめるのです。こういう作りに加え、大ぶりなシートに身を委ねれば、それだけで幸福感を感じるかのようなシート。正直このシートだけでも一財に値すると感じました。

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この記事の筆者:中込 健太郎

大手自動車買取販売会社で、クルマの売買業務を経て、本社マーケティングチームに異動。WEB広告を担当し...