凄腕エンジンビルダーのガレージライフとは?愛と情熱が詰まった「オフィス・トミタク」

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『トミタクさん』こと富松拓也(とみまつ・たくや)さんのカーライフを2部構成でお届けしている今回。後編は自慢のガレージをご紹介します。

トミタクさんは自動車関連会社でチーフエンジニアとして活躍。仕事もプライベートも、大好きなクルマに囲まれる日々です。


▲ガレージ2階の書斎にて。後ほどくわしくお届けします

幻のエンジン、TC24-B1を甦らせた凄腕エンジンビルダー


▲エンジンを組み上げるトミタクさん[写真提供:富松拓也さん]

前編でもくわしくお届けしましたが、トミタクさんは“幻のエンジン”と呼ばれる『TC24-B1』を復活させた人物として、業界では知られた存在です。1980年当時にモンスター級のパワーを誇ったTC24-B1は、生産された9基のうち現役はわずか4基。トミタクさんは工業遺産に等しいこのエンジンを守るべく、自らの愛車にTC24-B1を搭載しています。


▲“元祖”TC24-B1を搭載した愛車、ニッサン フェアレディZ(S30)。通称『トミタクZ』は、トミタクさんの代名詞[写真提供:富松拓也さん]


▲TC24-B1は、当時のフェアレディZ、ローレルなどに搭載されていたL28型をベースにし、独自の技術でツインカム4バルブ(クロスフロー方式)にしたエンジン[写真提供:富松拓也さん]

そんな凄腕エンジンビルダーのガレージを覗いてみたいと思いませんか?トミタクさんの自宅にある2棟のガレージハウスは、クルマへの愛と情熱があふれる場所でした。

ガレージハウスを手に入れるきっかけ


▲『Office Tomitaku』はプライベートの屋号。看板はトミタクさんの友人が手がけたもので、レーザーカットならではの美しい仕上がりに

いままでクルマと工作機械は別々に保管。そろそろ倉庫でも借りてまとめて管理したいと思うようになり、最初は軽い気持ちで物件探しをはじめたそうです。

「普通の民家ではないから、不人気で相場より安くなるかも」と期待を寄せながら、賃貸の空き倉庫を探していたトミタクさんですが、実際には特殊な条件が多かったため、物件の情報も乏しい現実。

そこで途中から中古物件の購入へシフト。探しあてたのが純和風の古い家屋と事務所が同じ敷地にある物件でした。不動産会社との交渉の末に大幅な値引きが発生したことが購入の決めてとなりました。トミタクさんは物件探しをこう振り返ります。

「利便性の良くない物件は安かったですね。競売物件にも良い物件があるかもしれないですが、さすがに素人は簡単に手が出せなかったです(笑)」

第1ガレージは、中古物件をリノベーション


▲2階建てのガレージは元建築事務所。1階は本格的なファクトリーを備え、傍らには愛車のホンダ S600が佇んでいます

第1ガレージは、元建築事務所の建物をリノベーション。1階は仕切りとなっていた壁を取り除き、クルマの格納スペースと工作機械のあるファクトリーに。壁の解体作業は、友人のみなさんと手分けをして行ないました。


▲空間を仕切ってあった壁を取り除きました[写真提供:富松拓也さん]


▲2液性の塗料を壁と床に塗布。[写真提供:富松拓也さん]


▲愛用の工作機械を搬入。「機械の重量が2、3トンもあるので友人たちの協力がないと搬入は難しかったんです」[写真提供:富松拓也さん]

年代物の工作機械を使う理由

トミタクさんのカーライフに、部品製作を行なう工作機械は欠かせません。「ワンオフばかりなので、コンピュータ制御の機械はほとんど使いません」と話すように、ガレージに揃うのは年季の入った工作機械の数々。昭和50年代製の手動送りの旋盤や、英国製のフライス盤、スイス製のバルブシートカッターなど。加えて、インバーター溶接機も導入されています。絶版で存在しない部品は、こちらの工作機械を用いてイチから作られるのです。

余談ですが、ファクトリーの工作機械すべてを家庭用の電力で稼働させるのは難しいため、電力会社と動力契約を交わして工場用の電力を使用しているそうです。


▲手に伝わる感覚と経験を頼りに工作機械を操るトミタクさん。必要なぶんだけイメージ通りに[写真提供:富松拓也さん]


▲愛用する手動送りの旋盤。刃やハンドルから伝わる感覚を頼りに操ります。勘やセンスが重要となります


▲スイスより個人輸入したバルブシートカッター。エンジンのバルブがきちんとシリンダーヘッドに当たるように加工する機械です。「時計産業が盛んなスイスには良い工作機械が多いですね」[写真提供:富松拓也さん]


▲愛用のフライス盤は英国製。「使い勝手がすごくいい。英国の道具やクルマは手に馴染むんです。手入れをしていれば必ず応えてくれる」[写真提供:富松拓也さん]

第1ガレージの2階は、クルマ愛とものづくりの情熱であふれていました


▲第1ガレージの2階は、トミタクさんのお宝倉庫兼“オトナの社交場”となっています

2階は光をふんだんに取り込める明るい空間。元オフィスだけあって、設備も完璧。給湯設備はもちろん、トイレは男女別。社長室まであります。カウンターを備えた窓からのロケーションも抜群です。


▲『LZ14』は1973年に誕生。同年の日本GPの初陣で初優勝したエンジン

「メーカーの純レーシングエンジンは、作り手の情熱が市販品とはまったくの別物。ワークスのエンジンの入手は本当に苦労します」

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この記事の筆者:野鶴 美和

ゴルフ雑誌の編集を経て、2014年よりフリーランスに。旅行関連、スポーツ関連のライティングを中心に活...