セナとともにF1を駆け抜けたヘルメットマン、川﨑 和寛さんへインタビュー

最終更新日: 公開日:2015-02-26 | Posted in オーナーインタビュー by

去る2015年2月10日。青山のホンダ本社にて、新生マクラーレン・ホンダの記者会見が開かれました。久しぶりに、マクラーレン・ホンダの名前を冠したF1マシンがサーキットを駆け抜けます。それから遡ること20数年前、日本は空前のF1ブームでした。まさにそのとき、アイルトン・セナとともにF1サーカスを転戦していた方が今回の主役、川﨑 和寛(かわさき・かずひろ)さんだ。

セナとともにF1を掛け抜けたヘルメットマン、川﨑 和寛さんへインタビュー@輸入車一期一会

川﨑さんは、セナから「ヘルメットマン」の愛称で呼ばれ、1990年、91年にセナが使用したヘルメットをデザインしたその人。セナが被っているヘルメットに「RHEOS(レオス)」のロゴを見掛けたら、それは川﨑さんが手掛けたものなのです。1990年日本GP、スタート直後の鈴鹿サーキットの1コーナーで、フェラーリに移籍したアラン・プロストと接触し、コースアウトしたときに被っていたのも、1991年ブラジルGPで念願の母国優勝を決めたときに被っていたのも「RHEOS」製ヘルメットでした。

F1という極限の世界を経験した川﨑さんだから、目つきの鋭い寡黙な方かと思いきや、当時のエピソードを分かりやすく、しかもユーモアを交えて披露してくださる、優しい眼差しが印象的なエンスージアストでした。

──まずは、川﨑さんのお仕事について聞かせてください。
アイルトン・セナ、ゲルハルト・ベルガーのヘルメットを手掛けたプロジェクトリーダーとして、1989年のシーズンオフ〜1991年までマクラーレン・ホンダのスタッフとしてF1サーカスに帯同しました。現在は、KDS(有限会社河野電機)にて、ホンダ時代の経験を活かし、プロダクトデザインの企画から管理まで全般を担当しています。プロジェクトの一つとして、現在は訪問介護用の浴槽のデザインを手掛けています。

──現在の愛車を手に入れるきっかけとは?
当時のセナは、F1ヨーロッパラウンドの間はポルシェ944ターボに乗っていたんです。セナもポルシェが好きだったんですね。そのときの私はポルシェ914に乗っていたんですが、セナにそのことを話したらすごく喜んでくれて、持っていた914の写真にサインをしてくれたんです。

現在の愛車である944は、ポルシェとしては7台目にあたります。私が求める条件(1989年式、左ハンドル、MT、ガンメタ、快適性)でクルマを探しているときに、ある人を介して出会いました。程度は抜群。記録簿を見ると前オーナーの深い愛情が注がれた個体で、しかも私が求める条件をすべて満たしていたんです。さらに、944ターボの足回りと968クラブスポーツのブレーキが組み込まれていて…。まさに運命を感じる出会いでしたね。

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▲オドメーターの数値に注目。16万キロを走破したとは思えないコンディション

──ポルシェに乗ろうと思ったきっかけとは?
かつて、ポルシェ・デザイン社とホンダがタイアップする機会があり、その豊富なアイデアに驚いた記憶があります。フェルディナンド・ポルシェ博士は、クルマだけでなく戦車の設計にも携わっています。プロダクトデザイナーとしてポルシェに乗っておかなければ恥ずかしいぞ!という思いもありましたね。

もう少し遡ると、若い頃、友人が湘南に住んでいて、二人で葉山あたりをナナハンで走っていたんです。すると白いポルシェ911(ナロー)が現れて、コーナーをハイスピードで駆け抜けて行く。お互い、ポルシェの速さに驚かされましたね。その後、当時通っていた学校で「クルマのカタログを入手して絵を描きなさい」という課題が出て、これなら堂々とポルシェが見られるぞ(笑)と、当時飯倉にオープンしたばかりのミツワのショールームへ行ってみたんです。するとショールームレディが「坊や何しに来たの?」と聞いてくるわけです。そこですかさず「今、ポルシェは買えないけれど、学校の課題で絵を描くためにカタログをもらいにきた」と告げたら、「じゃあ、早く大人になって成功してポルシェを買ってね」と言ってカタログをくれたんです。あれは嬉しかったなあ。

そういえば、関越道で、あの白洲次郎が操るナローに追い越されたんです。実は、そのことを知ったのは10数年後だったんですが、すでに高齢だったはずなのに、途方もないスピードで駆け抜けて行きましたよ。

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▲ノーマルの状態を保ちつつも、運転席はさりげなく純正スポーツシートを装着

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この記事の筆者:江上 透

カレントライフの副編集長。輸入車関連のセールスプロモーション、ウェブサイト、紙媒体、ラジオ番組の...