23年寄り添った「ポルシェ911カレラ2カブリオレ ターボルック」オーナー、吉田彌十郎さんへインタビュー

公開日:Posted in オーナーインタビュー

「自分で起業して、成功したら欲しいクルマを買おう!」

男なら誰もが一度は夢見ることではないでしょうか?しかし、現実にその夢を叶えられる人はいつの時代もほんの一握り。たゆまない努力のすえに実力を身につけ、さらに運を味方にした人のみが実現できるのです。

ポルシェ911カレラ2カブリオレターボルック
▲23年所有しているというポルシェ911カレラ2カブリオレ ターボルックとオーナーの吉田 彌十郎さん

今回、ご紹介する1993年式ポルシェ911カレラ2カブリオレ ターボルックのオーナーの吉田 彌十郎(よしだ やじゅうろう)さんは、小さい頃の苦労を糧にして見事にその夢を実現した方です。70代になっても颯爽とオープンのポルシェ911を駆る姿は、まるで白洲次郎のよう。しかし、その道のりは決して平坦ではありませんでした。その含蓄あるお言葉に、同じ男として学ぶべきところがありそうです。

──オーナー紹介&どんな仕事をされているのですか?

15才で上京して、22才で自身が代表を務める建設会社を設立、法人化しました。60才で会社を人に譲りまして、現在は不動産経営を営んでいます。

──幼少期から青年期に掛けて相当ご苦労があったとのことですが

ポルシェ911カレラ2カブリオレターボルック
▲ターボルック カブリオレの正規輸入台数は964RSよりもさらに少ないレアな存在

私は10人兄弟の末っ子でして、両親が小学校低学年のときに相次いで病気で倒れてしまったんです。父親の介護をするなど、学校に通って勉強するどころではなくなってしまいました。両親は、私が小学校高学年のときに亡くなりました。幼い頃はそんなことの連続で、苦労が絶えなかったように思います。

──ご自身で独立して成功しようというお気持ちはあったのですか?

ポルシェ911カレラ2カブリオレターボルック
▲塗料の中に本物の真珠を砕いて混ぜてあるという、パールホワイトのボディカラーにマジェンダの幌が目を惹きます

ありましたね。とにかく私の家は貧乏でしたし、親の病気のこともあり、満足に義務教育を受けられませんでした。私は福島出身なのですが、上京後に丁稚奉公しながら学費を稼ぎ、高校から大学院まで夜学に通いました。22才で会社を設立してからも夜は学校に行っていましたよ。大学院を卒業したときには30才になっていました。

──若い頃の経験を基に、地方の若者たちに門戸を開いたそうですね

ポルシェ911カレラ2カブリオレターボルック
▲ドアを含めた内装もマジェンダ

そうなのです。高度成長期には、大工のなり手は金の卵といわれていたんです。私も幼少期から丁稚奉公時代を振り返って思うところがありまして…。そこで複雑な家庭環境の子や少年院を出たような子たちを積極的に自分の会社で雇い、一人前の社会人として活躍できるよう育てあげました。そういった場を用意するために大学院まで通って勉強したんです。

──経済的に落ち着いてきたと感じたのはいつ頃ですか?

上京して10年を過ぎた26才頃でしょうか。ようやくフォード マスタング コンバーチブルやハーレーにも乗れるようになりました。小さい頃はご飯も満足に食べられなかっただけに、くじけず頑張って良かったと思いましたね。

──ポルシェに乗ろうと思ったきっかけを教えてください

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▲この角度から見ると、ポルシェ911ターボそのものです

旅行で山梨に行った帰りのことです。忘れもしない、中央道の笹子トンネルをフォード マスタング コンバーチブルで走っていたとき、追い越し車線をポルシェ911ターボがものすごい勢いで追い越していったのですね。あれは衝撃的でした。そこで、練馬区(東京都)に当時の正規輸入代理店だったミツワ自動車の営業所に行ってポルシェターボを試乗させてもらいました。アクセルを踏み込んだらフロントが浮き上がるような勢いで加速していくんですね。あれには驚いたなあ。

ポルシェ911カレラ2カブリオレターボルック
▲マジェンダの色合いが眩しい内装。オーディオも当時のまま(カセットデッキ)

しかし、すぐにポルシェが買えるわけではなく、機会が訪れるのを待ちました。購入できたときは42才になっていました。930カレラのカブリオレです。初めて運転したときは「いよいよこれで俺もポルシェオーナーの仲間入りだ」と喜びを噛みしめたことをいまでも思い出しますね。すぐさまポルシェ オーナーズ クラブ オブ ジャパン(現ポルシェクラブ)に入会して仲間との交流を楽しみました。

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この記事の筆者:江上 透

カレントライフの副編集長。輸入車関連のセールスプロモーション、ウェブサイト、紙媒体、ラジオ番組の...