馴染んでいく感覚が心地良い!「フィアット600 プリマ セリエ」オーナー、豊泉 浩さんへインタビュー

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洋服や靴など、少しずつ時間を掛けて自分の身体に馴染んでいくものほど愛着が湧くものです。クルマという工業製品を自分だけの1台に仕立てていく・・・。新車であればボディカラーや内装の革の色、さまざまなオプションを含めたカスタマイズを施すことで、自分だけの1台となっていくでしょう。

フィアット600 プリマ セリエ(1956年式)のオーナーである豊泉 浩(とよいずみ・ひろし)さんは、自らクルマをメンテナンスし、これまでのご経験を活かして必要に応じてパーツを加工したりするなど、少しずつ、そして確実に、愛車を自分だけの1台に仕立てているようです。今回は、そんな豊泉さんと愛車であるフィアット600 プリマ セリエ(以下、フィアット600)について取材させていただきました。

── オーナー紹介&どんな仕事をされているのですか?

フィアット600プリマセリエ Fiat600PrimaSerie
▲そこに佇んでいるだけで周囲の人から笑顔がこぼれるキュートさが魅力です

現在は「マシニングオペレーター(要約すると、金属加工などの工作機械を操作する仕事)」です。整備士だったこともありましたし、実家が旅行業とバスの運送業を営んでいたので、若いときには長距離バスの運転手もやりましたね。私はバイクも好きでして、30代半ばのころ、自分のお店を持ちたいと思ったこともあったんですね。そのために、まずは金属加工の技術を身につけようと就職したんです。結婚して家族もいましたし、結果としてクルマやバイクは趣味と考え、マシニングオペレーターとしての20年近いキャリアを重ねて現在に至ります。

── 豊泉さんはバイクもお好きなのですか?

フィアット600プリマセリエ Fiat600PrimaSerie
▲シンプルな内装。シートやドアの内張りの素材はオリジナルのようですが、ドアポケットはノンオリジナル(豊泉さん談)

ええ、バイクも好きですよ!自宅から少し離れた場所にガレージがありまして、そこに自分好みにフルカスタムしたトライアンフ TR6R(1971年式)と6Tサンダーバード(1953年式)、メグロS3 ジュニア(1957年式)があります。フィアット600もそこに置いてあります。

── 現在の愛車を手に入れるきっかけを教えてください

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▲フィアット500と比べて、リアセクションが拡大されているフィアット600。放熱性を考慮して、エンジンフードを少し開けて走るのが豊泉さん流

若いときに所有していたこともあったので、当初はフィアット500を探していたんです。1年くらい掛けて、何台か気になる個体をチェックしていたんですね。なかでもアバルト595仕様の個体は、悩みに悩んで購入の意思をショップに伝えたときは既に売約済みで・・・。もう1台のアバルト695仕様(排気量800cc、ストレートカットギアが入っており、ほとんどレース仕様と言ってよい個体)も、年末に見つけてメールで連絡していたんですが、年明けになってこれも売れてしまったと返信があり・・・。このフィアット600は、偶然あるイタリア車を多く扱うショップで売られているのを見つけたんですね。他のフィアット600を観に行った帰りに寄れる場所にあったため、連絡して行ってみたんです。それが運の尽きでしたね(笑)。

── フィアット600、気に入ってしまったんですね(笑)

フィアット600プリマセリエ Fiat600PrimaSerie
▲現代のクルマなら、カーナビのモニターが鎮座する場所がイグニッションスイッチ。「FIAT600」のエンブレムがさりげないアクセントに

フィアット600なんてほとんど見掛けたことがなかったし、売り物自体も珍しいですよね。ショップに行ってみると、このクルマが置かれていたんです。ドアはきちんと閉まらないし、塗装もカサカサで・・・。助手席で試乗させてもらったんですが、意外なほどキビキビ走るし、何だかんだで気に入ってしまったんです。結局、その場で契約してしまいました。

── そして、納車日を迎えるわけですね?

フィアット600プリマセリエ Fiat600PrimaSerie
▲当時のカタログ値で最高速は95km/h。大経かつ細身のステアリングもオリジナル

納車されたのは5月で、初夏の陽気といえるくらい暑い日でした。ショップでクルマを受け取り、渋滞に巻き込まれながらガレージまで乗って帰りました。途中、高速道路のサービスエリアで休憩を兼ねてクルマを停めてみたら・・・。下回りからオイルや冷却水が漏れているんです。手に入れた段階ですでに60年近く前のクルマですし、半ば現状販売みたいなものですから、まあ、壊れますよね(苦笑)。どうにかガレージまでたどり着いて、翌日からクルマをバラして、まずは現状把握と必要なパーツを発注しました。暑い時期にこのフィアットを乗り回すのはかわいそうだったし、クルマいじりに没頭できますから、ちょうど良かったと思っています。

── 豊泉さんのこれまでの愛車遍歴を教えてください

フィアット600プリマセリエ Fiat600PrimaSerie
▲このフィアット600が履くタイヤのサイズは135/80 R12

最初の愛車は、兄のお下がりで手に入れた日産スカイラインGT(1970年式/ハコスカ)の改造車でした。このとき私は整備士の仕事をしていたので、改造車は御法度だったんです。そこで通勤用にスバル360(1968年式)を手に入れました。それからボルボ122S(1964年式/ボルボ アマゾン)やフォード コンサル カプリ(1963年式/なんと正規輸入車)や、三菱ミニカLA23(1969年式)、フィアット500F(1968年式)にも乗りましたね。その後しばらくは家族用のクルマを乗り継ぎました。

── 輸入車に乗ろうと思ったきっかけを教えてください

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▲シンプルなエンジンルーム。排気量633cc、最高出力22psの4気筒エンジンをリアに搭載。バンパーの下から覗くのは、豊泉さんが取り付けたアルミ製のオイルパン。この素材感が足元のアクセントになっています

映画「アメリカン・グラフティ」の影響が大きいですね。この映画いまでも観ますし、何より旧いアメ車に魅せられるきっかけになりましたね。1932年式のフォード モデルB 5ウィンドウクーペなんて最高です。1932年式は、フレームなどがしっかりしていて、トータル的にベストなのですが、モデルAの1930年~31年式はフレームを変えるなど、色々改造できるのでそれもありだと思っています。アタマの中では、このクルマを手に入れてからどういじるか、チューニングプランも描けているんですよ!!

── フィアット600を手に入れて良かった点、苦労している点は?

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この記事の筆者:江上 透

カレントライフの副編集長。輸入車関連のセールスプロモーション、ウェブサイト、紙媒体、ラジオ番組の...