世界に30数台・日本に2台「シトロエンBX 4TC」オーナー、北沢 剛司さんへインタビュー

最終更新日: 公開日:2015-07-29 | Posted in オーナーインタビュー by

「クルマが人(オーナー)を選ぶ」という視点でスタートしたこのコーナー。今回のクルマも、この人のところへ嫁げばシアワセになれると分かっていたのかも…しれません。

世界に30数台・日本に2台「シトロエンBX 4TC」オーナー、北沢 剛司さんへインタビュー@輸入車一期一会

「これまで日本に上陸したことがない、シトロエンBX 4TCの実車が観られるかもしれない!」

ふとした好奇心から、本当にシトロエンBX 4TCのハートを射止めてしまった、オーナーの北沢 剛司(きたざわ・こうじ)さん。

シトロエンBXというクルマはともかく「4TCってなんだ??」。自他ともに認めるかなりのクルマ好きでも、そう思う方がいるかもしれません。それもそのはず。2015年7月現在、このクルマは日本に2台しか存在しません。街中で遭遇するのは、奇跡に近い確率なのです。シトロエンBX 4TCとは、シトロエンがBXをベースにWRCに参戦するべく開発したマシン。北沢さんのクルマは、グループBホモロゲーションを取得するべく生産されたなかの1台なのです。

今回は、そんなレアなクルマである、シトロエンBX 4TCに惜しみない愛情を注ぐオーナーのエピソードをご紹介いたします。

まずは、北沢さんのお仕事について聞かせてください。

輸入車関連誌のおよび一般誌のライター業を営んでいます。

輸入車に乗ろうと思ったきっかけとは?

25才のとき、メルセデス・ベンツの原稿を書く機会が多く、これは自分で所有してみて乗ってみないと分からないこともあるだろうなと思ったのがきっかけですね。せっかくメルセデスに乗るのであれば最高峰のSクラスにしようと、1987年式の300SEを購入しました。ボディカラーは、当時定番だったブルーブラックには興味がなく、なるべくレアな面白い色を探していました。そんなときに出逢ったのが、雑誌広告で見つけたライトアイボリーの300SE。実は、ドイツのタクシーもこの色なんですね。ダークカラー系のSクラスとは真逆な、パーソナルユースの雰囲気が感じられる佇まいも気に入りました。

世界に30数台・日本に2台「シトロエンBX4TC」オーナー、北沢 剛司さんへインタビュー@輸入車一期一会
北沢さんが所有していた、ライトアイボリーの1987年式メルセデス・ベンツ300SE。ご覧のように右ハンドル仕様

結局、このSクラスは1年半くらい乗りました。ある日、高速を走っているときにオーバーヒートしてしまったのです。ディーラーで修理費用を算出したら、エアコンの修理等も含めて70万円くらいの見積もり金額になってしまいました。さすがにこの修理代は厳しいということで、泣く泣く手放しました。
次のクルマを探しているとき、知り合いのライターさんに相談したところ、あるクルマ屋さんから「2つ、提案があるよ」という話しを持ちかけられました。それは…。

・70万円のランチア・テーマ
・30万円のマセラティ・ビトゥルボ

この二択でした。さあ、どうする?というのです。

70万円の修理代が払えないのに、同額のランチア・テーマを買うのもなあ…。そうとなると、30万円のマセラティ・ビトゥルボしか選択肢がないわけです。結局、このクルマが次の愛車となりました。奇しくも、手放したSクラスと同じ1987年式なんですね(笑)。

世界に30数台・日本に2台「シトロエンBX4TC」オーナー、北沢 剛司さんへインタビュー@輸入車一期一会
30万円で手に入れた、1987年式マセラティ・ビトゥルボ ES

ある程度は覚悟していましたが、このマセラティ・ビトゥルボ(以下、ビトゥルボ)も色々ありました。でも、いまの愛車であるシトロエンBX 4TCのメンテナンスをお願いしている主治医に出逢ってから、クルマのコンディションがグンと良くなったのです。しかし、あるとき首都高を走っていたら、ルームミラー越しに白煙が見えるんですね。よく見ると自分のクルマから煙が出ているではないですか!

主治医に診てもらったところ、タービンがブローしていることが判明しました。部品代を調べたところ、純正のタービン1個が29万1,000円。ツインターボなので計58万2,000円です。さすがに潮時かなと思っていところ、主治医が「じゃ、ターボ取っちゃえ!」というのです(笑)。その提案には私も驚きましたが、たった5万2,500円の改造費で乗り続けられる魅力には勝てませんでした。結果的にターボを外したビトゥルボは絶好調となり、壊れなくなりました。

ノンターボとなったことでトラブルから解放されたビトゥルボでしたが、あるとき、加速中にエンジンストールしてしまい、二度とエンジンが掛かることはありませんでした。結局廃車することになったのですが、形見として、エンブレムとウッドのシフトノブ、それにダッシュボードのアナログ時計はいまでも大切に保管してあります。

ビトゥルボは、半年くらい乗れたらいいかなと思って手に入れましたが、結局6年あまり所有しました。20代後半から30代前半を一緒に過ごしましたが、いま思うと楽しかったですね。

現在の愛車を手に入れるきっかけとは?

ビトゥルボを手放したあとに結婚するなどして、クルマを所有していない時期が続きました。でも、やっぱり何か欲しいなと思い、個人的にも好きなグループBマシンで物件を探していました。そんなある日、関西在住でシトロエンBX 4TC(以下、BX 4TC)を個人輸入したシトロエン愛好家の方のwebサイトを見つけたのです。そこには、フランスに売り物件があるという情報が載っていました。すぐさまコンタクトを取ると、フランスのコレクターが複数所有している内の1台を手放そうと考えているそうで、しかもその物件には、ラリー仕様のエボリューションモデルのキットも含まれるというじゃないですか!こんな条件のBX 4TCはまず出てこないだろうと思いましたね。

その後、毎年秋に長野県の車山高原で開催されている「フレンチブルーミーティング」で、そのシトロエン愛好家の方とお会いしました。信頼できそうな人柄だったこともあり、わずか4枚の写真だけで契約してしまいました。

念願叶って契約したBX 4TCは、翌年春、日本に上陸しました。クルマは陸送で関東に運んだのですが、同梱されてきたエボリューションモデルのキットは積むことができませんでした。しかし、ありがたいことに、そのシトロエン愛好家の方が自宅で保管してくださっていました。それはさすがに申し訳ないので、ワンボックスのレンタカーを借りて関西まで引き取りに行きました。

世界に30数台・日本に2台「シトロエンBX 4TC」オーナー、北沢 剛司さんへインタビュー@輸入車一期一会
車名が分からないクルマ好きにもタダモノではないことをアピールする、張り出された前後のオーバーフェンダー

結婚後にシトロエンBX 4TCを手に入れたわけですが、奥様は理解してくれたのですか?

クルマ関連の雑誌に記事を書いている人間が、自分のクルマを所有していないのはいかがなものだろう…ということは、妻も理解を示してくれました。当初は、ピニンファリーナデザインのプジョー406クーペ(前期型/左ハンドル/薄いグリーン)の購入を考えていたのです。妻と実車を観に行ったりもしましたが、購入には至りませんでした。

しかし、このBX 4TCを逃したら、いつ機会が巡ってくるか分かりません。

世界に30数台・日本に2台「シトロエンBX4TC」オーナー、北沢 剛司さんへインタビュー@輸入車一期一会
シトロエンBXベースなのできちんと5人乗れますし、荷物も積めます。その代わり、エアコンはありません(笑)。

そこで、妻には、
・4ドアハッチバックなので「5人乗れます」
・ベースはBXなので「荷物が積めます」
・私が好きな「ラリー用の特別なクルマ」であること

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この記事の筆者:江上 透

カレントライフの副編集長。輸入車関連のセールスプロモーション、ウェブサイト、紙媒体、ラジオ番組の...