車両本体価格29万円のユーノスロードスターを所有して分かったこと

最終更新日: 公開日:2016-04-13 | Posted in ライフ

最近、周囲でにわかにユーノスロードスターに関する話題が増えているから…というわけではないのですが、2014年まで所有していた1991年式ユーノスロードスターについて備忘録的にまとめてみたいと思います。

納車日は雷雨で洗礼のはじまりか?ユーノスロードスター Vスペシャルの回想録

筆者が所有していたのは「Vスペシャル」というグレード。1.6Lの前期モデルでした。ネオグリーンのボディカラーにベージュ革のシートとカーペットの内装を持つ、まるで英国車を思わせるちょっと輸入車っぽい雰囲気を持つクルマです。

28
▲筆者が所有していたユーノスロードスターVスペシャル。1.6Lエンジン搭載の前期モデル

このクルマを手に入れたのは、いまからちょうど5年前の今ごろでした。

※伊達軍曹氏が最近手に入れたという、ユーノスロードスターのことが綴られた「輸入中古車400勝ブログ」や、ユーノスロードスターが愛車のフナタンさんこと小鮒氏のFacebookページを拝見していると「あぁ、売らなきゃ良かった…」と悔やむことしきりです。

それはさておき。ユーノスロードスターは、筆者が若いときにどうしても手に入れたかった、忘れられない1台なのです。今回は、そんな戯言にお付き合いいただければ幸いです。

まだ初心者マークが取れるか取れないかという当時の筆者に、クルマ好きの恩師が、当時所有していた純白のユーノスロードスターを1泊2日で貸してくれたのです。当時、筆者はクルマを所有しておらず、父親のクルマを借りて乗っていました。恩師より、ユーノスロードスター借りたのは8月の半ば。つまり真夏です。それでも人生初のオープンカー体験。猛暑と熱帯夜にも臆することなく屋根を開け放ち、2日で400kmくらい走りました。あのときの屋根を開けて走る爽快感と、草木の匂い、エンジン音が近くに感じられた記憶はいまでも忘れられません。

IMG_5798
▲当時手に入れたユーノスロードスター関連本。クルマを買ったらここを弄ろうとか、妄想していました

IMG_5799
▲当時のマツダ車のカタログコレクション。いつのまにか、貴重なものになっていました…

それから、何とかしてユーノスロードスターを手に入れられないか?と思い悩む日々が始まりました。当時はまだ学生でしたから、新車を買うなんてことは論外。それならば中古で…となるのですが、人気車のためリセールも良かったのでしょう。新車とそれほど変わらない価格で販売されていました。いずれにしても、アルバイト漬けの貧乏学生に手が出るクルマではないと、泣く泣く諦めるしかありませんでした。

それから月日は流れ、何度か手に入れようと決意してユーノスロードスターを探したりもしました。しかし、これはと思う個体に巡り会えず、時間ばかりが過ぎていきました。

このクルマを手に入れたのは2011年春。つまり東日本大震災、3.11の数週間後です。「東北の方々が大変なときに、お前は呑気にクルマなんて買っていいのかよ?」毎晩ものすごく悩みました。3.11のこともあって悶々とした日々を過ごしていたこともあり、「本当に欲しいモノを、買えるときに、買える範囲で、思い切って手に入れよう」と心に決めました。

2011-03-26 14.10.41
▲初めて実車確認したときに撮影したもの。この時点で購入を決めていました。いわゆる衝動買い

2011-03-26 14.17.05
▲内装もほぼフルノーマル。ダッシュボード上に置かれたカップホルダーも流行りましたね

それからほどなくして、地元の中古車屋で車両本体価格29万円という、格安のユーノスロードスターを発見しました。それが手に入れたユーノスロードスターです。工場出荷時と同じ、ネオグリーンに全塗装を済ませたばかりで、見た目もほぼノーマル。車検が切れていたので試乗はできなかったのですが、勢いその場で契約してしまいました。これがイバラの道の始まりとも知らずに…。

納車日はなんと雷雨。いきなり雨漏りの洗礼です。クラッチはスムーズに繋がらないし、トランスミッションも、5速から4速にスムーズにシフトダウンできない…。これはあきらかにおかしい。そこで、地元のマツダディーラーに持ち込み、一通り点検してもらうことにしました。そのマツダディーラーは、かつてユーノス店の看板を掲げていたことを覚えていたのです。

DVC00343
▲納車後に地元のマツダディーラーに入院。このあと、まさか目まいがするほどの修理費用が掛かるとは知らず…

点検の結果、クラッチは滑り気味(要交換)、ミッションもオーバーホールが必要(要交換)、エンジンもオイル漏れ(要全バラシ)、ダンパーおよびバッテリー、ラジエーターもアウト(要交換)、そして雨漏り…。「いやあ、これはきちんと直すと相当お金が掛かりますよ」と、自身もユーノスロードスターに乗っていたという、サービスフロント氏が気の毒そうに見積もりを提示してきました。事実、諸々の点検整備項目を合計した金額は、車両本体価格29万円を遥かに上回るものでした。ほぼ20年越しの思いが叶い、ようやく手に入れた念願のユーノスロードスターなのに…。

2011-03-26 14.09.48
▲実車確認時のエンジンルーム。ラジエーターは変色し、寿命だといまなら分かります(遅い)

試乗もせずに衝動買いで手に入れた、車両本体価格29万円の1991年式ユーノスロードスター。トラブルはまだまだ続きます。

そのトラブルとは、購入したユーノスロードスターに修復歴ありかも疑惑

トラブルというより、単に確認不足なだけなんですが。クルマの性格上、他のモデルより、修復歴ありの割合が多いのではないかと予想されます。もしそうなったときは、(修復歴有りであることを含めて)大事に乗ろうと決めていました。

幸い、修復歴ありではないだろうという、ディーラーのお墨付きをもらいほっとしたのもつかの間…。現状ではまともに走らない20年落ちのユーノスロードスター。どうやってお金を工面して仕上げていくか?悩ましい日々が始まりました。

「それならば、はじめから程度の良い個体を買えばよかったじゃん。」

そうなんです。その通りなんです。しかし、当初からフルノーマルの極上車を購入することは考えていませんでした。その理由は「当時果たせなかった、自分好みのユーノスロードスターに仕上げてみたい」という願望があったからなのです。そのベースとなる個体を選ぶ際、フルノーマルの極上車に手を加えることにはどうしても抵抗ありました。仮にノーマル戻しをすることしても、元の(オリジナル本来の)雰囲気は取り戻せないように思えたのです。

で…。選んだのが今回の個体というわけです。程度はそこそこで良かったのです(この時点では)。

▼筆者が所有していたユーノスロードスターと初対面のときに撮影
2011-03-26 14.10.41

マツダディーラーのサービスフロント氏と相談した結果、まずは、エンジンのオイル漏れとクラッチおよびミッション交換を一気にやってしまおうということになりました。納車早々、いきなりの代車生活です。この交換工賃と部品代で、手に入れたユーノスロードスターの購入金額を軽くオーバーしました(泣)。さすがにクラッチは新品にしましたが、ミッションを新品に交換する予算が捻出できず、泣く泣くディーラーが保有する中古品に載せ換えました。

これで、吹っ切れたというか、もはやタカが外れました(笑)せっかく念願のユーノスロードスターを手に入れたのだから、この際、ネガな部分を徹底的に洗い出して、少しずつでも、可能な限り直してしまおうと決めました。

同時に、宿願でもある「自分好みのユーノスロードスターに仕上げてみよう」計画のスタートです。Vスペシャルの革シートをはじめとする内装は、生産から20年歳月を歴て相当にくたびれていました。

ユーノスロードスター現役当時から憧れだった、ファッションバーの取付けに四苦八苦する

ここからはちょっとマニアックな領域に入ってきます。

このクルマを介して知り合った、ロードスター乗りの友人のあいだでも賛否両論あるロールバー(およびファッションバー)の装着。その理由とは、ロールバーを装着することで、ユーノスロードスター本来の雰囲気を崩してしまうのではないか?という考えです。でも、そんな友人たちと知り合うのはもう少し先の話し。この時点では取り付けることしか頭にありませんでした。

ちなみにファッションバーとは、ロールバーの形をした一種の飾りです。万一、クルマが転倒しても、乗員を保護してくれません。お目当ては、当時から装着してみたかった「T-HOUSE」というショップから発売されていた「キャメルバー(下記画像のもの)」という名のファッションバー。当時、5万円くらいしたと記憶しています。似た形状のバーはいくつもあるのですが、T-HOUSEのキャメルバー以外は考えていませんでした。

▼こちらが取り付けてみたかったT-HOUSE製のキャメルバー。しかし、NB幌には装着できず…(涙)
img_1
出典:http://blogs.yahoo.co.jp/

T-HOUSEのキャメルバーはすでに絶版。中古品を入手するべく、インターネットオークションで探す日々が始まりました。そしてあるとき、出品されていたのです。迷うことなく、即、落札しました。到着後にさっそく取り付けてみたところ、筆者の個体では屋根が閉まらないことが判明。実は筆者のユーノスロードスターは、購入時点で2代目マツダロードスター(NB型)タイプの幌に交換されてたのです。T-HOUSEのファッションバーを取り付けると、幌が干渉して閉まらないことが判明。これはショックでした。自分好みのロードスター計画、いきなり方向転換を余儀なくされました…。

▼悩んだ末、トライアングル型のファッションバーを物色。加工しないとNB幌に干渉することが判明(泣)
p1
出典:http://minkara.carview.co.jp/

その後、悩みに悩んでトライアングル型のファッションバーを取り付けようと決意。ほどなくネットオークションで落札しますが、またもやNB幌に干渉することが分かり、装着を断念。結局、偶然出品されていたNB幌対応に加工済みのトライアングル型ファッションバーを発見。競り合いの末にどうにか落札。無事に取り付けることができました。

諸々の修理と平行して、20年落ちのくたびれたユーノスロードスターを(自分なりに)ビシッと仕上げるべく、試行錯誤の日々が始まりました。

ダッシュボードの交換は予算的に断念せざるを得なかったので(2011年当時で15万円…)、社外品のカバーを装着(これもなかなか固定できず、プロショップの方の力を借りてようやく解決)。タンレザーのシートは保護優先で自宅に保管、COBRA社製のバケットシートを2脚装着。ところどころ破れていたドアの内張りは、ネットオークションで程度良好なモノを入手して交換。2011年当時も新品で売られていた、ビンテージコンソール タン色(ナカマエ製)も予算の関係からネットオークションで落札。

▼ネットオークションで入手したビンテージコンソール タン色(ナカマエ製)
R0010087

▼カーナビの代わりに取り付けた油温系、水温計、時計(VDO製)
CAI_0150

そんな苦労の甲斐(?)あって、内装もなんとなく若いときに仕上げてみたかった(若干の違いはありますが)イメージに仕上がってきました。カーナビはこのクルマの雰囲気を崩すような気がしたので、敢えて取り付けず、代わりに油温系、水温計、時計(VDO製)を装着。

▼初対面時の内装
DSC_0106

▼自分としてはほぼ仕上がったかなと思い、記念に撮った内装
CAI_0862

雨漏りはディーラーの勧めで、2代目マツダロードスター(NB型)のウェザーストリップに交換。これで無事に解決しました。いちどにお金を掛けられないので、少しずつコツコツと、地道に仕上げていきました。そんなこんなで何枚もの福沢諭吉が飛び立っていきました…。いったいいくらこの個体に費やしたのか、恐ろしくていまだに計算していません(笑)。

車両本体価格29万円のユーノスロードスターでも、やればできる子(YDK)になりました

試行錯誤の末、1年くらい掛かったでしょうか。ようやく自分としては納得がいくところまで仕上げることができました。そのうち「これ、29万で買ったの?見えないね」といってもらえるようになったときは嬉しかったですね…。

2012-09-15 15.14.14

CAI_0507

この時点で、周囲に面識のあるロードスター乗りの友人・知人がいませんでした。手に入れたときに知り合っていれば、ユーノスロードスターに手を入れる考え方や方向性など、だいぶ異なっていたように思います。

あわせて読みたい記事

OEM記事提供
この記事が気に入ったらカレントライフに「いいね!」しよう

最新情報はFacebookページでチェック

この記事の筆者:江上 透

カレントライフの副編集長。輸入車関連のセールスプロモーション、ウェブサイト、紙媒体、ラジオ番組の...