新車時はウン千万円、現在は数百万円台のベントレーってどうなの?

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新車時はウン百万円、現在は100万円台の輸入車ってどうなの?」先だってそんなタイトルの寄稿について、随分多くの方からのレスポンスがあったようです。そんな話題ですので、私のマセラティ430を取り上げては見たのですが、あのあともオートサロン絡みで500キロほどメーターが進みました。快調というか、普通に普段のアシに使えております。有り難いことですね。でも、相場形成前だからあの値段なのでしょうね。もう少し「クラシックとなると軒並み高い」クルマとしてみられ出したら、とても200万円以下では手に入らなかったのではないか、とも思ったりしています。だいたいそういう風になると前期モデルという部分も積極評価になりますし。売り物が少ない今はまだ買い時だったのだとも思っています。

さて、そんな振り返りをした時に、そんなクルマは他にないものか、と考えました。ぱっと1台思い出したクルマがあります。ベントレーコンチネンタルR。1980年〜1990年代くらいのベントレー/ロールスロイスも買うなら今のような気がしていますが、あのころ作られたクーペですね。新車価格も、マセラティ430のときより「0」一つ多いレベルですし、中古車とはいえ、今でもなかなか新車が買える価格はします。しかし軒並み「10分の1」あるいはそれほどでなくとも「2掛け」「3掛け」の世界です。惜しみなく良いと思った技術は躊躇なく盛り込まれ、それを実現する為であればコストや手間がかかるということはあまり判断材料にならずに作られたのだろうな、ということに簡単に気づく贅沢なクルマ。もちろん細かい仕事、組み付けは熟練した職人の手によって行われていたと想像できます。

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このベントレーコンチネンタルR、新車当時は、「比較的交通の便の良い場所に家族で住まうにもそれほど窮屈ではないマンション」が買えたかもしれないほどの金額がしたこのクルマも、今では国産車でもさほど高級車でなくとも、ヘタをすると購入できない程度の価格まで「降臨」してきているとはいえ、そのクルマに「行くか」「行かないか」という選択を迫られるとすれば、なかなか契約書に判子をつけるものではないかもしれません。繰り返しになりますが、だからこその「降臨」だと言っても良いのですから。

たとえ20年以上の年月が経ったからと言って、クルマとしての残存勝ちは「10分の1」にはならないでしょう。そもそも恐ろしく頑丈に作られたクルマです。基本的にはメンテナンスでかなり新車時の状態に近いコンディションまで戻すことが可能です。部品も比較的手に入りやすい模様。外装パーツはかなり難儀するものもあるようですが、それは少量生産車の宿命。機関系等のパーツは海外も含めて探すと、比較的すぐに届くと聞きます。世界で最も贅沢な自動車用レザーシートなども10万キロや20万キロやれるほどやわではありません。さすがにいまだ5万キロ台くらいまでのマイレージのクルマは比較的高価ですが、10万キロ前後の個体からはそれなりに価格もこなれたものが多いように感じます。

でも、この手のクルマは価格が安いからと言って選ぶクルマではないのです。あるいは、もし仮に、安いから買ったとしても、その安易な動機を反省し、さらにあまりある、他のクルマでは得ることのできない尊いものを教えてくれることでしょう。もしよければ一回りさせてもらいましょう。むりやりスチームでぱんぱんに張ったりしていない、コノリーレザーの大ぶりな椅子に腰掛けると、確かクーペに乗ったはずなのだが・・・そのヒップポイントの高い着座位置は実に新鮮です。そしてクルマとは対称的に華奢なキーを(クルマの図体とキーの大きさに因果関係はないのだが)ひねってエンジンをかけると、長めのクランキングの後、ぽっと火が入ったことがわかるような目覚め方をします。走り始めると低速から“もりもり”とトルクが出ますが、絶対的な車重が重たいのでそのフィーリングは重厚なもの。乗る前にこんなに大きいと持て余すかな、、と不安になった車体も、前述の高い着座位置のおかげもあって、取り回しの良さに驚かされます。

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さて、このベントレーコンチネンタルRに「行くか」という決断をしてしまったのが、今回ご紹介する、とても奇麗なコンチネンタルRのオーナー、会社員のUさんなのです。ありきたりのクルマには乗りたくない。せっかく乗るならば特別なクーペ、「ベントレーターボ」でさえ「違う」と感じたのだそうです。というより、彼がクルマに対して求めること。それはハンドリングでもブランドの格でもレザーの質でもなく、「いかに俗世間を超越しているか」だと言うのです。「ベントレー」であることも「コノリー」であることも「伝統の6.75リットルV8エンジン」であることも、それ自体が目的ではなく、すべては俗世間を超越することの理由に過ぎない、というのです。だから確かに最初はシルバーセラフ、ロールス・ロイスをゆったりと運転することに「超越感」を感じ、惹かれ、クルマを見にいくところから話しは始まったというのです。

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この記事の筆者:中込 健太郎

大手自動車買取販売会社で、クルマの売買業務を経て、本社マーケティングチームに異動。WEB広告を担当し...