自由化から約4年。鉄道を上回る人気の裏で起こっている、ドイツ各地で混乱する長距離バス問題とは?

公開日:Posted in ドイツ現地レポ by

ドイツ国民の交通機関に対するフラストレーションは、相当高まっているようです。遅延・欠便は日常茶飯事、これにストライキが加わると、彼らの怒りが爆発します。ドイツ人は日本人と国民性が似ていると誰が言ったのか、唯一の鉄道会社であるDB(ドイツ鉄道)は、「遅い・高い・サービスが悪い」のトリプルコンボ。30分〜1時間も待たされることも多々あります。時間通りに帰れたらラッキー!くらいの気持ちでないと、ドイツの鉄道には乗れないかもしれません…。

そんなドイツの交通事情に振り回される中、ここ近年で新たな移動手段として登場したのが「長距離バス」です。

日本の方からすると今さら?と思うかもしれませんが、ドイツでは数年前まで存在していませんでした。ドイツでは鉄道路線と被る長距離バスの運行は禁止されており、カバーすべき場所はDBがバスを運行。地上の交通はDBの独壇場でした。

しかし、2013年の法改正で、長距離バスの運行が自由化となり、この年からバス業界へ新規企業が続々参入。一時期はバス利用者が鉄道利用者数を上回り、バス業界内の競争となりました。

人気の理由は安さと移動の快適さ

筆者も学生時代、長距離バスをよく利用していました。運賃は空席率によって変動しますが、最安値だと電車の3~5分の1程度。ドレスデン~ベルリンで片道最安5ユーロ(約600円)、600km以上あるドレスデン~ケルンでも最安25ユーロ(約3000円)で購入することができたのです。

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▲チケットはオンラインでも購入でき、出発5分前までキャンセル・変更可能。キャンセルの場合100%返金してもらえるのも良い(写真は大手Flixbusオンラインチケットサイトのスクリーンショット。筆者作成)

電車と比べて格安、そしてアウトバーンを走るので遅延も少なく、ほぼ時間通りに到着します。場所によっては電車移動より早く着く場合も。車内は無料Wifi・コンセント完備されていて長旅でも快適。利用者が多い区間では1日最大60本運行しています。現在はドイツ国内だけでなくヨーロッパ諸国までコネクトしており、学生を中心に非常に人気が高くなっています。

以前は選べきれないほどバス会社がありましたが、価格戦争の末に撤退した企業も多々あります。現在はトップ2のMein Fernbus社とFlixbus社が共同運行しており、シェアの80%を占めています。ここ数年で急成長し、利用者も200万人から2500万人にまで増えた長距離バスですが、今、問題となっているのが「停留所の確保」なのです。

インフラ整備不足が仇に

多くの長距離バス停留所は鉄道駅に併設してあります。しかし、観光バスが数台停められる程度のいわば「ロータリー」です。ベルリンなどの大都市だと「ZOB」と呼ばれる大型バスの停留所がありますが、ほとんどが中心地から離れた郊外に位置しています。

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この記事の筆者:NAO

福井県生まれ奈良県育ち。京都外国語大卒。ドレスデン工科大学修士課程卒。高校生からドイツに恋して在...