メルセデス・マイバッハ S 600 プルマン日本導入記念!歴代プルマンの歴史と各種装備をミニカーと秘蔵資料で振り返る

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メルセデス・マイバッハ・プルマン

ついに日本導入されたメルセデス・マイバッハ謹製リムジン

2015年3月のジュネーブ・モーターショーでデビューしたメルセデス・マイバッハ S 600 プルマン。メルセデス・マイバッハ・ブランドの頂点に位置するモデルとして設定されたこのリムジンは、2016年9月15日から日本でも完全受注生産の形で注文受付を開始。価格は8,800万円と発表されました。

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日本市場にステートリムジンの『プルマン』が正式導入されるのは、実にW100のメルセデス・ベンツ 600 プルマン以来のこと。1963年から1981年にかけてラインアップされた600 プルマンは、長大なロングホイールベースと重厚な佇まいでいまだに別格の威厳を放っているモデル。今回導入されたメルセデス・マイバッハ S 600 プルマンは、まさに往年のプルマンリムジンの再来と呼べるモデルです。

そこで今回はメルセデス・マイバッハ S 600 プルマンの日本導入を記念して、メルセデス・ベンツ・プルマンリムジンの歴史と、そのユニークな装備類をご紹介します。

そもそも『プルマン』とは何の名前?

メルセデス・ベンツが自ら製造するリムジンモデルには『プルマン』の名が付けられています。そもそも『プルマン』とは、19世紀から20世紀にかけてアメリカのプルマン社が製造した豪華な寝台型鉄道車両に由来するもの。それから間もなく、『プルマン』という名前は、長大なホイールベースと広大なリアの客室スペースを備えたメルセデス・ベンツ車を示すようになります。その特長は、運転席とリアの客室がパーティションで仕切られ、客室部分に対面式の4座シートを備えること。このフォーマットは、最新のメルセデス・マイバッハ S 600 プルマンにも受け継がれています。

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戦前の『プルマン』といえば『グロッサー・メルセデス』

第二次大戦前のメルセデス・ベンツを代表する名車のひとつが、『グロッサー・メルセデス』の愛称で知られるメルセデス・ベンツ 770です。特に1938年から1943年にかけて88台が生産された後期型のW150には、重厚なボディを架装したプルマンリムジーネが設定されていました。

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▲Rio 1/43 Mercedes-Benz 770 PULLMAN-LIMOUSINE 1938(品番 4085)
イタリアのリオは、Made in Italyにこだわる老舗メーカー。昔からW150のメルセデス・ベンツ770 Kをラインアップしていているほか、オープンボディの770 K カブリオレも発売しています。

一説には18台が生産されたといわれるメルセデス・ベンツ 770の『プルマン』は、全長6,000 mm、全幅2,070mm、ホイールベースは3,880 mmという堂々たるボディサイズが特長。エンジンは排気量7.6リッターの直列8気筒で、自然吸気エンジンの770で155ps、コンプレッサー付きの770 Kで230psを発揮。最高速度はコンプレッサー付きで170km/hに達する一方、防弾車両では80km/hにとどまりました。

唯我独尊の長大なボディが印象的だった600 プルマン

『アデナウアー・メルセデス』の愛称で知られるW186のメルセデス・ベンツ300と、その後継となるW189の300 dは、第二次大戦後、メルセデス・ベンツが大型高級車の製造を復活させるきっかけとなったモデルです。特に300 dにはロングホイールベース化のうえランドレーボディを架装した特別車両がローマ法王専用車などに使用されるなど、世界を代表する超高級車の1台として認識されるようになりました。

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▲Rio 1/43 MERCEDES 300D 1963 – Papa Giovanni XXIII 1963/2013 50° Anniversario(品番 4406-P)
リオは、大統領などの政治家やローマ法王などのフィギュア付き製品を多数製作しているのが特長。ソフトトップを閉じているので分かりにくいのですが、運転手に加えて後席にはローマ法王が着座しています。

1963年には、300 dに代わる新たなフラッグシップとして、W100のメルセデス・ベンツ 600が発表されます。全長5,450 mm、全幅1,950 mmの堂々たるボディサイズとは対照的に全高は1,500 mmに抑えられ、300 dとは対照的に低くワイドな印象を強調したスタイリングが特長でした。強力な6.3リッターV8エンジンとエアサスペンションの組み合わせにより、スポーツカー顔負けの動力性能とトップレベルの快適性を兼ね備えていました。

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▲TSM MODEL 1/43 1963 Mercedes-Benz 600 Pullman State Limousine(品番 TSM124353)
現在、1/43スケールでメルセデス・ベンツ 600 プルマンのバリエーションを積極的に展開しているメーカーがTSM。写真のステートリムジンのほか、ヨルダン国王やエルビス・プレスリーの所有車両なども発売しています。

標準ボディとともに設定された600 プルマンは、ホイールベースを700 mm延長し、全長は6,240 mmに達していました。メルセデス・ベンツ 600 プルマンは完全なショーファードリブンモデルであり、その後席には国家元首や世界のミリオネアなど、ごく限られた人のみ座ることができました。

大柄なボディに自然に溶け込んだW140のプルマン

メルセデス・ベンツ 600は1981年に生産終了となり、メルセデス・ベンツ自製のリムジンはカタログモデルから姿を消しました。量産モデルとして『プルマン』の名が復活したのは、SクラスがW140になった後の1995年9月。S 600のロングモデルからホイールベースを1m延長し、6,213 mmの全長を持つS 600 Pullman Guardが発表されたのです。大柄なW140のボディはリムジンには最適で、ショートボディよりもむしろ自然なスタイリングでした。このモデルはまた、『プルマン』としては初のV12エンジン搭載モデルでもありました。

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▲NEO 1/43 Mercedes-Benz W140 S600L Pullman 1998(品番 NEO45360)

レジン製のマニアックなミニカーを製品化しているネオから発売された1/43のメルセデス・ベンツ S 600 プルマン。コンチネンタル製の特殊なランフラットタイヤにセットされる専用ホイールを履いていることから、S 600 Pullman Guardを製品化したものと思われます。

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▲VITESSE 1/43 Mercedes-Benz S600 L PULLMAN Light Metalic Grey 1999(品番 VMC99025)

今から10数年前にヴィテスが発売したS 600 L プルマン。W140のプルマンはこのヴィテス製品しかなく、長年プレミア価格で取り引きされていました。こちらの製品も専用ホイールと拡大した前後フェンダーを備えているため、S 600 Pullman Guardを製品化したものと判断できます。

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▲Dip Models 1/43 Mercedes-Benz S500 PULLMAN GUARD (W140)(品番 GON140)

DIP Modelsではロシアのエリツィン大統領専用車を製品化。この車両のエンジンは6リッターV12ではなく、5リッターV8を搭載していました。そのため、フロントグリルもS 600専用グリルではなく、通常のフロントグリルになっています。

このように防弾車両のS 600 Pullman Guardとして登場したW140のプルマンは、特別装甲のない通常のリムジンとしても発売されました。

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カタログの表紙にS 500 L / S 600 L PULLMANとあるように、 W140のプルマンには5リッターV8と6リッターV12の2種類のエンジンが設定されていました。外観上の特長は、タイヤ/ホイールが通常のS 500 L / S 600 Lと同じものになり、前後フェンダーもノーマルタイプになること。写真の車両はBピラーとCピラーの間のガラスに追加ピラーが入っていませんが、筆者はこれまでピラー付きの個体しか見たことがありません。

メルセデス・マイバッハ・プルマン

ヘッドルームを拡大するために高くなったルーフと、対面式4座の客室部分はプルマンの伝統。写真の車両はS 600 L Pullmanのため、C140のCL 600と同じ18インチホイールおよびツートーンレザー内装になっています。また、防弾車両ではないため、リアにスライディングルーフを装備しています。

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この記事の筆者:北沢 剛司

’70年代のいわゆる「スーパーカーブーム」の洗礼を受け、以来、クルマの世界にどっぷり浸かって大人にな...