ネオクラシックの白眉、メルセデスベンツ190E 2.5-16 エボリューション1・2の伝説をミニカーで辿る

最終更新日: 公開日:2016-06-16 | Posted in エンタメ by

メルセデス・ベンツの長い歴史のなかでも、モータースポーツ直系モデルとして生を受けたモデルは数えるほどしかありません。なかでも1989年に登場した190 E 2.5-16 エボリューション1(通称:Evo 1)と、1990年に登場した同エボリューション2(通称:Evo 2)は、DTM制覇のために製作された伝説的なモデルとして現在人気沸騰中。特にエボリューション2は、一時期500万円前後で売られていた時期もありましたが、現在1,000万円以下で物件を見つけるのは困難な状況となっています。

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今回はネオクラシックのなかでも別格の存在感を発揮する、メルセデス・ベンツ 190 E 2.5-16 エボリューション1・2の伝説をミニカーで辿っていきたいと思います。

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▲ミニチャンプス 1/43 Mercedes-Benz 190 E 2.3-16 1984(品番 430 035600)

190 E 2.5-16 エボリューション1および2のルーツとなったモデルが、1984年に登場したメルセデス・ベンツ190 E 2.3-16です。DTM(ドイツ・ツーリングカー選手権)をはじめとするGr.Aツーリングカーレースへの参戦を目的に、メルセデスがコスワースと共同開発した4バルブヘッドを搭載したことで当時大きな話題となりました。その2.3リッター直列4気筒DOHC自然吸気エンジンは、最高出力185ps、最大トルク235Nmを発揮。ナルド・テストコースで当時の世界速度記録をマークしたことでも有名になりました。
190 E 2.3-16は世界のツーリングカーレースで高い戦闘力を発揮。日本でもレイトンハウスカラーのマシンが1986年に登場しました。しかし、エースドライバーの萩原光は菅生で同車をテスト中に事故死。その年のル・マンで日産をドライブすることが決まっていたなかでの悲劇はいまだに忘れることができません。事故から30年が経った今でも鮮烈な印象を呼び起こすマシンです。


▲スパーク 1/43 レイトンハウス メルセデスベンツ 190 E 2.3-16 Gr.A 1986 全日本ツーリングカー選手権 Rd.1 MINE #16 萩原光/黒澤元治(品番 SKB43007)
ミニカー専門店の「キッドボックス」では、レイトンハウスカラーの190 E 2.3-16 Gr.A仕様をスパークに特注。3種類ある製品のうち、萩原光が実戦で走ったマシンもはこの製品のみ。

その後、190 E 2.3-16は、1988年のフェイスリフトを期にエンジン排気量を2.5リッターに拡大した190 E 2.5-16に進化。さらに1989年のジュネーブ・モーターショーでは、ツーリングカーレース用に各部を改良したエボリューションモデルとして190 E 2.5-16 エボリューション1が発表されました。
Gr.Aエボリューションモデルの規定台数は500台のため、190 E 2.5-16 エボリューション1は、502台が限定生産されたといわれています。エンジンはノーマルの190 E 2.5-16をベースとしながら、ボア×ストロークを変更してショートストローク化した別物。最高出力はノーマルと同じ195ps、最大トルクは235Nmを発揮しています。さらに最高出力を225psに、最大トルクを240Nmに強化したAMGパワーパックもオプション設定。メルセデスとAMGの結びつきがこの頃から強化されていきました。

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▲ミニチャンプス 1/43 Mercedes-Benz 190 E Evo 1 Street Blue black met.(品番 Best.-Nr. 3000 B)
写真はドイツのミニカーメーカー、ミニチャンプスが当時発売した1/43ミニカー。ダイキャスト製のボディは上下2分割式になっていました。写真のブルーブラックのほかに、シグナルレッドとパールグレーのカラーバリエーションが存在します。

190 E 2.5-16 エボリューション1の外観上の特長は、ダウンフォース効果を高めた前後スポイラーと、ワイドタイヤの装着およびトレッド拡大を狙ったオーバーフェンダーの装着です。これによりトレッドはフロントで14mm、リアで24mm拡大され、タイヤサイズは225/50R16サイズに変更。さらにハイドロニューマティック方式の車高調整機能も備わります。

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▲ミニチャンプス 1/43 Mercedes-Benz 190 E (W201) 2.5-16 “Evo 1” 1990 Black-Metallic(品番 437 032000)
こちらは2015年に発売されたミニチャンプス製の1/43 190 E 2.5-16 エボリューション1。25年前につくられた製品はダイキャスト製ボディでしたが、こちらはレジン製ボディを採用した完全リニューアル品。写真のブラックメタに加えてレッドのカラーバリエーションも存在します。ミニチャンプスの黎明期につくられた旧製品と見比べると、表現力が格段に高まっていることが分かります。

190 E 2.5-16 エボリューション1は、1989年5月14日にMainz-Finthenで開催されたDTM第7・8戦から実戦投入されました。BMW M3、アウディV8クワトロなどのライバルに対して善戦したものの、その年のタイトルはBMW M3に乗るR.ラヴァーリアが獲得。メルセデスにとっては不本意な成績に終わります。

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▲左:ミニチャンプス 1/43 Mercedes-Benz 190 E Evo 1 Team: Snobeck Cudini(品番 Best.-Nr. 3011)
▲右:ミニチャンプス 1/43 Mercedes-Benz 190 E Evo 1 AMG-König Pilsener Ludwig(品番 Best.-Nr. 3002)
当時、ドイツの新興ミニカーメーカーだったミニチャンプスの名を一気に押し上げたのが、1/43スケールのDTMモデル。複雑なカラーリングをデカールで再現し、当時としては非常にクオリティの高い仕上がりでした。

1989年シーズンで当初の目的が達成できなかったメルセデスは、AMGとのパートナーシップをさらに強化。念願のDTMタイトル獲得に向けてさらなる刺客を送り込みます。それが1990年のジュネーブ・モーターショーで衝撃的なデビューを飾った、190 E 2.5-16 エボリューション2でした。

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▲左:ミニチャンプス 1/43 Mercedes-Benz 190 E Evo 2 Street Pearl grey met.(品番 Best.-Nr. 3100 G)
▲中央:ミニチャンプス 1/43 Mercedes-Benz 190 E Evo 2 Street Signal red(品番 Best.-Nr. 3100 R)
▲右:ミニチャンプス 1/43 Mercedes-Benz 190 E Evo 2 Street Blue black met.(品番 Best.-Nr. 3100 B)
ミニチャンプスが約25年前に発売したEvo 2 ロードカーの1/43製品。現在の目で見ると大味ですが、Evo 2ならではの迫力はよく再現されています。502台が生産されたといわれる実車のボディカラーは基本的にブルーブラックのみですが、2台のみシルバーに塗られたという説もあります。

Evo 2の最大の特長は、そのド派手なエクステリア。特に’70年代のプリムス・スーパーバードの再来とも称されたリアスポイラーは、それまで保守的な印象が強かったメルセデスのイメージを一変させる強烈なインパクトを備えていました。

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▲左がEvo 1で右がEvo 2。両者の年式は1年しか違わないものの、空力的なアプローチが大胆に変化したことが分かります。

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▲特にリアまわりには大きな空力的進化が見られます。Evo 2はGr.Aのエボリューションモデルでもっとも過激なエクステリアを備えるマシンでした。

各部に目を向けると、興味深いつくりに惹き込まれます。まず、フロントバンパー下端にビス止めされるフロントスポイラーは、前方へ張り出してダウンフォースを高めることが可能。張り出した状態では、ライセンスプレートベースの左右に2本のステーを追加装着してフロントスポイラーをボルトで固定。走行中の脱落を防ぐつくりになっていました。

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この記事の筆者:北沢 剛司

’70年代のいわゆる「スーパーカーブーム」の洗礼を受け、以来、クルマの世界にどっぷり浸かって大人にな...