インフラ投資目的の課税は違法?アウトバーン有料化見送りのワケ

最終更新日: 公開日:2015-08-19 | Posted in ドイツニュース by

ドイツのアウトバーンといえば速度無制限、そして何より使用料が無料。日本のドライバーから見れば何とも羨ましいシステム…と思うかもしれませんが、無料であれだけ完備された高速道路網を利用できるのは自動車税・ガソリン税などと別の形で維持費をドイツのドライバーが負担しているからなのです。

しかし、ついにドイツでも2015年3月27日に有料道路の導入が連邦議会により確定されました。5月にはアウトバーン有料化の法案が承認され、2016年にはこの有料道路システム及び外国車も含め全車両に料金を課すこともすでに予定されていましたが、他のEU諸国との兼ね合いに関して問題がまだ残っており、その状況を考慮してドイツ連邦交通相ドブリン氏は予定していた導入プランを延期すると公式に発表しました。

ドイツ人だけが得をする?EUからの反対意見

ドイツのアウトバーン有料化はここ数年で出てきた話ではなく、90年代から取り上げられていました。ドイツでは1995年より大型トラックのみがアウトバーンでの課税対象となっていましたが、その背景としてはドイツが東西統一以降交通の要となったためヨーロッパ各国のトラックが頻繁に走るようになり、ドイツのドライバーはアウトバーン建設に対して自動車税などの形で貢献しているにも関わらず、外国のトラックは無課税のままドイツのアウトバーンを走っていたため、彼等にもアウトバーンの財源を提供してもらうために有料化することとなったわけです。

今回それと同じシステムが乗用車にも適用される、というワケですがそこに待ったをかけたのが他のEU諸国。アウトバーン利用者全員が料金を払うことに変わりはありませんが、ドイツ国民はビニエットと呼ばれる証紙を購入し、定められた期間分有効なビニエットを持っていればその分だけ自動車税の減税という形でアウトバーン料金が払い戻しされるシステムがあるのです。自国でも自動車税を納め、自国ましてやドイツの高速でも料金を払わなければならない外国ドライバーたちに対して不公平で差別的なシステムであるとEU諸国は大反発。EU議会もこれはEU法違反であると指摘しており、まだ議論の余地があるということで今回導入を見送る結果になりました。

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この記事の筆者:NAO

在独6年目のライター。Current Europe GmbH (ドイツ現地法人)所属。ドレスデン工科大学修士課程を修了し...