最後のスモールフェラーリ、F355はシリーズの「中間地点」

最終更新日: 公開日:2015-04-28 | Posted in コラム by

1990年代なかばにデビューしたF355。8気筒エンジンを積むフェラーリとしては6代目、ちなみに今年のジュネーブショーで発表された488GTBは10代目になります。いまの時点から見て、F355はシリーズの“中間地点”にあたるモデル。そして私は、このモデルこそ8気筒シリーズの、ひとつのターニングポイントだったと思うのです。

最後のスモールフェラーリ、F355。
出典:http://carslaws.com/

フェラーリの主役は、12気筒ミッドシップ
誤解を恐れずに言うなら、フェラーリはエンジンのメーカーです。しかも12気筒が正統、本家本元。8気筒はまあ、言ってみれば前座のようなもの、という時代が1970年代からしばらく続いていました。12気筒モデルは、365GTB4から、80年代の男の子なら知らない者はいないテスタロッサなどがフラッグシップとして君臨していました。FRの12気筒モデルのラインアップもありましたが、それらは主に北米向けのグランドツーリングカーで、メインストリームはやはりミッドシップモデルでした。

奥が深い、“入門用”8気筒シリーズ
一方の8気筒モデルは、“スモール・フェラーリ”と呼ばれ、いわばフェラーリワールドへのエントリーモデルの位置づけでした。真のエンスージャストしか許されないフェラーリ12気筒ワールドを体験しようとするなら、まず8気筒でトレーニングすべし。といった“空気”がメーカーと顧客の間にあったように思います。

そのせいかどうかは知らないけれど、8気筒モデルのドライビングは繊細で難しいものでした。ハンドルは「小指」で動かせ、などとも言われていたくらいです。手の指の中でも小指は最も繊細な動きをコントロールする手指。それを使ってデリケートにコントロールしないとスピンしてしまう、といった意味です。

「難しい」ということは「楽しい」ことの裏返しでもあります。いつスピンするか分からないようなヒリヒリするようなドライビングも、一度でも思うようにコーナーをクリアすることができたら、大きな達成感につながります。また、“本家”の12気筒モデルより小さくて軽いボディも、やる気を刺激してくれます。そういったことから、エントリーモデル扱いとはいえ、308を起点とする8気筒シリーズも奥の深いクルマでした。

この記事が気に入ったらカレントライフに「いいね!」しよう

最新情報はFacebookページでチェック

この記事の筆者:カレントライフ編集部

カレント自動車株式会社に所属する編集部メンバーが適時執筆しています。ハイクオリティーなクラシック...