生誕50年のランボルギーニ ミウラの背景を交え、違いが多いイオタを振り返る

最終更新日: 公開日:2016-02-14 | Posted in コラム by

2016年は、1966年に誕生したランボルギーニ ミウラが、生誕50年という節目にあたる。そして、約半世紀という時が流れても多くの人を惹きつけるこのクルマには、多くの謎に包まれた「イオタ」という特別な存在もある。この記事は、ミウラの生まれた背景を交えながらイオタの考察をしていきたいと思う。

Lamborghini Jota
出典:http://joesackeyclassics.com/

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出典:https://cochesclasicosdehoy.files.wordpress.com/

まずは、このミウラとイオタを語る上で欠かせないこの写真の4人を紹介する。左からボブ・ウォレス、パオロ・スタンツァーニ、フェルッチオ・ランボルギーニ、ジャンパオロ・ダラーラ。ボブ・ウォレスは、ランボルギーニのチーフテストドライバーであり、イオタを作った張本人である。パオロ・スタンツァーニは、ミウラを生み出した重要なエンジニアであり、主にエンジンを担当していた。フェルッチオ・ランボルギーニは、言わずと知れたランボルギーニ社の創設者である。そしてジャンパオロ・ダラーラは、ミウラの開発を主導し、独特なパッケージングとフレームを構築したエンジニアだ。

1965年のトリノショーにおいて、V型12気筒エンジンを横置きにしたTP400がお披露目されるのだが、この時点ではフェルッチオ・ランボルギーニは量産を考えておらず、他の量産車の販売を促進するため、20台程度の限定車を想定したようだ。ミッドシップのクルマ自体が珍しかった当時、このTP400への注目はかなり高かった。そして今からちょうど半世紀前に行われたジュネーブショーで、ミウラ P400がお披露目される。このときの反響は凄まじく、20台程度の限定生産という予定を取りやめ、ランボルギーニは量産化の準備に取り掛かることになる。


出典:http://www.designmoteur.com/

V型12気筒エンジンをミッドシップに横置きにするというレイアウトは、一部のレーシングカーを除いて過去に例を見ない独創的なアイデアだ。RA271(1964年)およびRA272(1965年)のホンダF1マシンが同じようにV型12気筒エンジンをミッドシップに横置きしているのだが、これを生み出したジャンパオロ・ダラーラは、フォード GT40のツインチューブモノコックが、イギリスのミニに大きく影響されたものだと語っている。実際にミウラは、当時少量生産に最も適していた鋼管スペースフレームではなく、鋼板を用いたボックスフレームとなっている。さらに、ダラーラはこのTP400が生まれる前に、ミニの直列4気筒エンジンをミッドへ横置きにマウントしたスポーツカーを個人的なプロジェクトで開発していた。それがミウラのルーツとして最も古い部分なのではないだろうか?

このエンジンを横置きにマウントするアイデアは、ホイールベースをより短くするという問題を解決することができた。同時にV型12気筒という大きなエンジンを横置きすることで、重量物が一つの部分に偏りヨー慣性モーメントが増大。結果としてリアがブレイクしやすい特性を持ってしまい、後に発売される高性能モデルのミウラ SVに至るまで、その特性を改善するためのサスペンションの改良が余儀なくされる。その改良を、実走を通して行っていたのがテストドライバーのボブ・ウォレスとなる。

そして本題のイオタの話に入ろう。ここでは諸説あるので断言することを避ける表現もあるが、一緒に考察することを楽しんでいただければと思う。

1969年の濃霧の日。ボブ・ウォレスがミウラを試乗していたという。道路の舗装工事に気づかずに荒れた路面でコントロールを失い、ミキサー車の下に突っ込んでしまう。数ヶ月経った後、ボブ・ウォレスがパオロ・スタンツァーニにミウラベースのレースカー製作の話を持ちかけ、このプロジェクトが始動したようだ。

まずここで、イオタは事故にあったミウラをベースに製作されたという説と、オリジナルのシャシーから作られたという説がある。ランボルギーニ内部の人間からのオリジナルで製作したとの証言もあるが、どちらが事実なのかは定かではない。どちらかが正しいのだろうが、どちらも正しいということもあるだろう。ちなみに、イオタはボックスフレームも特別に作られたもので、殆どがミウラとは異なるシャシーだったようだ。

Miura
出典:http://joesackeyclassics.com/

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この記事の筆者:中野 ヒロシ

カッコいいクルマが大好きです、メカニズム的な面も好きで普通のスポーツカーからチューンドカーも好き...