すでにネオクラシック化している「ホンダ S2000」の現代のクルマにない魅力

公開日:Posted in コラム

FR、超高回転型NAエンジン、高剛性ボディ。ホンダの高性能オープンスポーツとして1999年に登場したS2000は、日本車最強レベルのコーナリングマシンとして名を馳せ、2009年に生産を終了しています。なかでも初期型(AP1)※は「ネオ・クラシック」に分類されつつあります。(※AP1は初期・中期・後期に分かれる)


▲ホンダ創立50周年記念車として発表され、ホンダ伝統のスポーツモデル「Sシリーズ」の系譜を受け継いでいます

カレントライフファンの皆様、はじめまして。ライターの野鶴ともうします。相棒はホンダ S2000という日本車ですが、基本的に「人に愛されているクルマ」なら国内外・新旧問わず好きです。今回は筆者の愛車ということもあり、いちオーナーとしての視点からS2000の魅力をお伝えしてまいります。もしかするとカレントライフファンの皆様のなかにも、オーナー・元オーナーの方がいらっしゃるかもしれませんね。よろしくお願いいたします。

さて、S2000はこれまで幾つかの輸入車と比較されてきました。とくにポルシェ ボクスター(初代)やBMW Z3ロードスターなどと比べられたものですが、生い立ちやキャラクターはロータス ヨーロッパ Sを感じさせます。人気のクルマ漫画「サーキットの狼」でもおなじみ、初代ヨーロッパの後継モデルです。

ヨーロッパ Sはスポーツカーでありながら、エキシージやエリーゼとは違ってそこそこの実用性も併せ持ちます。ときにはストイックな一面ものぞかせてドライバーを魅了するクルマです。「良さはわかる人にわかればいい」的なキャラクターもS2000に似ているかもしれません。そして量産車でありながら量産車にはない「車格を超えた存在感」も醸していると思います。

エンジンの咆哮は、クルマが語りかけてくる感覚

魅力はやはりエンジン。AP1初期型の2L直列4気筒DOHC VTECエンジン「F20C」は9,000回転という超高回転型で、カタログデータではNAながら250馬力を発揮。排気量を2.2Lにアップしてモデルチェンジ後の「F22C」からは、レブリミットは8000回転に落とされたものの、トルクアップされたことで扱いやすさは向上。『深化』を遂げたエンジンでした。

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▲フロントミッドシップで、重量配分は理想的な50:50を実現。

最近ネット上では、ホンダミュージックのことを『ンバァァァァァする』と言うそうですが、上り詰めていくときの獣のような咆哮はまるで、心に語りかけてくるような感覚をおぼえます。

ちなみに「F20C」はオイル消費する個体が多いといわれていました。シリンダーとピストンリングの間にできたスキマから、オイルがガソリンと一緒に燃焼してしまうのです。筆者のエンジン(2機目)も約800〜1000キロでオイルレベルゲージのLOW近くまで減るため、オイルを継ぎ足しながら乗っています。余談ですが駐車場でオイルを入れていると、通行人から「なんだか昔のクルマみたいだねぇ」と声をかけられたりもします。日々のメンテナンスには気を遣いますが、こうしてふれあうことで深い愛着も生まれるのでしょう。

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▲「ンバァァァァァ!」

「幌車の世界」の虜になったのはオープンだったからこそ

S2000の魅力といえば旋回性能やダイレクト感のある操作性、剛性の良さがまず語られるのですが、「リアルオープンスポーツ」と銘打っているようにオープンカーとしての魅力も非常に大きいです。ホンダ Sシリーズはオープンモデルが伝統で、S2000ではオープンボディの剛性を高めるためにホンダ独自の「ハイXボーンフレーム構造」という骨格が採用されました。

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▲納車後まもなくオープンカーミーティングへ参加するも、初参加時はハードトップ装着。その後、ハードトップは物置へ封印。

筆者は当初S2000がオープンだから選んだわけではなかったのですが、「幌車の世界」の虜になったのはオープンだったからこそ。おかげで幌車オーナーの友達も増えました。

個人的見解になりますが、幌をおろす状況はメンタルに比例すると思っています。仕事前の緊張感に包まれているときや気持ちが沈んだ日はクローズ。仕事終わりの充実感を味わったり良いことがあった日は、オープンにしたくなりませんか?

S2000はオーナー同士の結びつきが強い

さて、S2000にただようストイックさに刺激されると、クルマから離れた日常においても、凜とした生き方をしたくなります。「孤高のオーナー」を気取りたくなるというか(笑)。


▲S2000オーナーの友人からいただいた品々。シフトノブ(NSX-R純正品)はS2000を降りた友人から。「エス」への想いを綴った手紙とともに愛車に装着していたものを手渡してくれました

S2000は「作り手の想いにシンパシーを感じて乗っているオーナー」が非常に多いと感じています。作り手と乗り手の結びつきが強いクルマであり、開発責任者・開発陣・製造技術者の想いがクルマを通して伝わり、オーナーたちは受け取り、深めていくのでしょう。

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この記事の筆者:野鶴 美和

ゴルフ雑誌の編集を経て、2014年よりフリーランスに。旅行関連、スポーツ関連のライティングを中心に活...