高級寿司店で考えた、クルマ生活における「理想と現実」の狭間

公開日:Posted in カーゼニ by

自分は日頃から「いや最近の輸入車がね、嫌いなわけでは決してないのだけどね、なんつーかこう面白味がないっちゅうか味わいが薄いっちゅうか本中華、どうも買う気になれんのですわ。そんで、古めで安めの中古車に乗っとると。まぁそういう次第です」という趣旨の意見を人々に向け開陳している。

その意見に嘘はなく、虚心坦懐にそう思っているのだと我ながら確信していた。しかし昨日夜、その確信が揺らぎ、「実は自分、本当は最近の高い輸入車に乗りたいんだけど、ゼニがないから買えないだけで、それを『面白味』やら『味わい』だのと言ってごまかしているだけなのではないか?」と自問自答するに至った。

昨夜、いわゆる高級寿司店で高級寿司をいただいたときに、その疑念が沸いたのだ。

高級寿司を頻繁に食える生活であるに越したことはない

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無論、自分のような低ギャラ土下座まんじゅうライター風情がいわゆる高級寿司店に行くのは2~3カ月に1回程度に過ぎない。それも、我が低ギャランティーを寿司代に投入するわけではない。財布のなかで邪魔にじゃらつく小銭、金一圓から五百圓也を「ええい、邪魔くさい!」と絶叫しながらスナフキン貯金箱に適宜投入していると、2~3カ月もすると知らないうちに、家の者と二人で地元の高級寿司店にて食って呑んでするぐらいのカネ、すなわち約四万圓が貯まるので、それを寿司代および酒代として投下する決定を家長として下しているだけのことだ。

で、自分は昨夜、その決定に基づき地元の名店「S」に行った。Sは、いわゆるザギンにあるような超高級店よりはさすがに安いが、フツーの都内住宅街にある寿司店としてはなかなかのお味および雰囲気ならびにお値段で、このあたりに住んでおられるのか、名前を出せば誰もが知ってるはずの超有名俳優氏を、ときおりカウンターでお見かけする。そんな感じの寿司店である。

そして自分は、大将が握るたいそう美味なる寿司を1貫ずつ頂戴しながら思考した。

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自分の信念、すなわち「最新の高性能・高額輸入車を欲しいとはあまり思わない。それよりも、ちょっと古めでちょっとお安めの中古ガイシャのほうが、僕ぁ好きだ」というのが真なるものであるならば、ここ寿司の名店Sにおいても、自分は以下のように思うはずだ。

「自分は高額寿司を食いたいとは思わない。や、寿司とクルマとはちょっと違うから、食いたくないわけでは全然なく、むしろ積極的に食べたいわけだが、毎日食べるのはちょっと違うと思う。毎日の食とは、東京の方言でいうざっかけないモノであるべきであり、そういった庶民の暮らしのなかにこそ、真の幸福は存在するのだと僕ぁ思う」と。

名店「S」の握りを頂戴しながら、自分はそう思った。いや、思おうとした。

しかし結論として、自分はあまりそうは思えなかった。

昨夜の自分の心情をウルトラ正直に吐露すると、以下のとおりとなる。

高級寿司店カウンターでの(脳内)スピーチ

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「やっぱ旨いモンは美味いというか、モノっつーのはたいてい『値段なり』だよなぁ。いや大将、相変わらず美味いっすよ! スシローと比べちゃ失礼なのは重々承知ですが、たぶんスシローの5000兆倍は美味いんじゃないすか? やっぱね、こういうのを僕ぁ毎日食べたいなぁ。や、寿司好きの自分でも毎日だとさすがに飽きるから週3ぐらいかな? で、2日間は別のお店で洋モノの美味しい料理をいただいて、そんで残る2日はスーパー行って買い物して、家で湯豆腐かなんかこしらえて、あえて大衆的な純米酒をヤリながらプロ野球中継を観る……なんてのがオツでございますよなぁ。わはは。おほほ。

んでクルマですけどね、アレもね、言っちゃぁなんですが『値段なり』っつー部分は確かにありますよ、ええ。僕ぁ今100万円弱で買った初代のマツダ ロースター、いわゆるユーノスってやつの中古車に乗ってて、ものすごい気に入ってて、ものすごく大好きなんです。それは2000%本音の真実です。……でもね、正直たまには今度出たばかりのビーエムの5シリーズとか、ああいうのにも乗りたいですよ。で、荷物グルマには現行3のツーリングとかも使いたいし。現行Cのワゴンでもいいかな?

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でもアレだ、ゼニがないんですわ。いや1台だけだったら、こんな自分だって残価設定ローンとかで(通れば)いくらでも買えますけどね、前にもカレントライフで書いたような気がするけどそういったクルマに似合う邸宅を持ってないし、それを買おうと思うともっとゼニがないんですわ状態になるし。

んで新しいやつ1台だけを所有しても意味ないですしね。ほらボク、古いのもけっこう好きだから。ヴィンテージっつーほど気取ってるわけじゃないざっかけないクルマで、のんびりおほほと走る。そういうのも自分大好きなんで。でもそんな複数台体制を敷こうとすると、さらにさらにゼニがないんですわ状態になりますからねぇ……。

だもんで、とりあえず今はNAロードスター1台で(基本的には)満足してる……と、まぁそういった次第です」

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この記事の筆者:伊達軍曹

外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めた...