年末大そうじで思った、中古車の「市場の評価」と「あなたの評価」の違い

公開日:Posted in カーゼニ by

過日、転居に伴い不要となった書籍をBOOK-OFFに売却してきた。その買取明細を見てつくづく思ったのは、「中古品のプライスというのは、その物品本来のクオリティとはあんま関係ないんだなぁ……」ということだった。

自分的には超名作でも市場の評価は「10円」

例えば明細はこうであった。

わかりやすいところでは、人気ブロガーちきりん著の『未来の働き方を考えよう』は買取価格わずか5円。新品時の価格は1400円ぐらいで、多くの人にとって役立つ記述が多い良書だと思うのだが(ついでに言えば筆者のそれはキレイに保管されたなかなかの美品であった)、おそらくは中古車でいうところの「流通台数」が過剰なのだろう。中古市場に商品があふれかえっているゆえの5円と思われる。

fullsizerender161216

またマンガ『高校球児 ザワさん』(三島衛里子著)の1~3巻も、それぞれ10円だった。これは不要だから売却したわけではない。事実はその真逆で、筆者としてはこの作品をウルトラ名作だと思っている。そのため一生かけて何度も何度も読み返す予定なのだが、あまりにも好き過ぎたせいか、同じ巻を一部ダブって買ってしまったのだ。つまり筆者としては超名作だと思っており、ダブって買った品であるため読んでもいない超美品なのだが、市場は(ていうかBOOK-OFF)はそれに「10円」という非情な評価を下した。……見解と価値観の相違である。

あまり有名な作品ではないが、人間の業のようなものを見事に描ききったマンガ『野田ともうします。』(柘植 文著)も10円で、さらにディープな業を描いた名作『イケてない10代』(冬川智子著)もたったの5円。また50円が付いた『1976年のアントニオ猪木』(柳澤 健著)よりも、30円の『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』(増田俊也著)のほうがノンフィクションとしては優れていると思うのだが、「木村」のほうが安かった。たった20円の違いだが、どこか納得がいかない。

だが市場と自分の価値観の乖離はチャンスでもある

逆に「え? なぜコレが……」という感じで高値となった品もあった。

400円が付いた諸星大二郎先生の『海神記』はまぁ新刊に近く、コアなファンも多そうなので高値が付くのも納得だが、『ダンドリくん(文庫版)』(泉 昌之著)が200円とはどういうことか? 好きな作品ではあるが、今読み返すとギャグのセンスも少々古く、普遍的な魅力にはやや欠けると思うのだが……。しかし今ググってみたところ、Amazonマーケットプレイスとかで同文庫は600円から3500円(!)で売られているようなので、おそらくは「希少価値が高い」ということなのだろう。ギャグのレベルうんぬんではなく。ていうかBOOK-OFFじゃなくヤフオクとかで売りゃ良かった……。

以上、なんだかんだと勝手な不平不満を言わせていただいたが、この「中古品に付けられるプライスは、その品本来のクオリティとはさほど関係ない場合も多い」という事実は、中古車の購入においては有利に働く局面も多いはずだ。

市場はそのクルマに対して『高校球児 ザワさん』のような低評価をしているのだが、「何を言っとるんだ? 自分としてはウルトラ高評価だぞ!」というような車種がもしもあった場合、結果として超絶ウルトラお買い得プライスでその(自分的には)名車を買うことができる……ということだ。

あわせて読みたい記事

この記事が気に入ったらカレントライフに「いいね!」しよう

最新情報はFacebookページでチェック

この記事の筆者:伊達軍曹

外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めた...