モータージャーナリストは茨の道。それでも生き残れる2つの秘訣とは?

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このコーナーは「カーゼニ」。読んで字のとおり、ゼニの話題を通じてカーのモロモロを考えるコーナーである。しかし大変率直に申し上げて今週はカーにまつわる話がまったく思いつかない(すみません)。そこで今回はカーに関するライターすなわち自動車ライターについて、いくつかのことを考えたいと思う。あいすみません。

12年にわたり飢え死にしなかった秘訣をお教えしよう

で、もしもあなたが自動車ライターになろうと思ったとする。ライターっつーか、いわゆる「著名モータージャーナリスト」みたいなものを含む広義の自動車ライターだ。

まぁカレントライフの中高年読者の皆さまは、絶対に、死んでもそんなことは思わないだろうが、18歳から25歳ぐらいの若手読者(カレントライフにはそれが意外といそうだ)については、もしかしたら「モータージャーナリストあるいは自動車ライターになって、“好き”を仕事にしたい!」と考えてる人もいるかもしれない。

今回はそんなあなたに向けて、真摯にお話しさせていただこう。

今さらながらのモータージャーナリストあるいは自動車ライター志望。それは言うまでもなく茨の道である。「自動車趣味市場」は間違いなくシュリンクしてますからね。

しかしそれでも貴殿が自動車ライターもしくは著名モータージャーナリストを目指さんと固く決意するのであれば、よござんす、わたくしから2つの「秘訣」をお教えしよう。生き残り、そして稼ぐための秘訣だ。

といってもわたくし自身が著名ジャーナリストでも何でもない無名ライターなので、「秘訣を教える」と言ってもあまり説得力というか魅力を感じないかもしれない。それは本当にそのとおりで、自らの不明とショボさを恥じるばかりである。ごめんね。

しかし一つだけ言わせていただくなら、こう見えて独立以来11年8カ月にわたり飢え死にすることなく、どちらかといえば肥満しながら、フリーランサーとしての「商売」を普通に続けることができた拙者である。

聞くところによると、たいていの新規の商売は開業から10年ともたずにたたむハメになる場合が多いのだという。それから考えるのであれば、拙者は「それなりには優秀」と言うこともできるはず。……誰も言ってくれないので自分で言うわけだが、まぁそんな拙者からの実戦的なアドバイスと思っていただきたい。

「締め切りを守る」というだけで注文は途絶えない

とはいえ拙者が貴殿に与える秘訣っつーかアドバイスは、本当にシンプルな2点のみである。なぜならば、その2点を確実に執行するだけで「本当に大丈夫」だからだ。

まず第一の秘訣。それは「締め切りは必ず守る」ということである。

「……そんなんでいいの?」と貴殿は思うだろう。うむ、そんなんでいいのだ。

これは11年と9カ月前、拙者のお師匠さんにあたるMJブロンディこと清水草一さんに伝えられた秘術である。「軍曹くん。独立にあたっていろいろ不安だろうが、とにかく締め切りを守りたまえ。そうするだけで注文は殺到するから」

それを言われた約12年前の自分も、今の貴殿とまったく同じように「……そんなんでいいんですか?」と思い、そして清水氏にそのように言った。たったそれだけで物事が上手くいくとは、到底信じられなかったのだ。

しかしあれから11年と9カ月。清水草一さんが伝授してくれた「秘訣」の効力は絶大だった。まぁ注文が殺到しているかどうかはさておき、大した文才もなく、そして皆さん薄々お気づきだと思うが自動車に関するマニアックな知識も皆無な拙者が、自動車ライターとして得たギャラだけで毎日白米(大盛り)をいただけているのである。

なぜ締め切りを守るだけでOKかというと、「ほとんどのライターが締め切りを守らないから」だ。

ある者は怠惰ゆえ遅く、ある者はこだわりすぎて遅筆で、またある者はその合併症。そういった遅筆軍団には、拙者も出版社の編集者だった時代にさんざん泣かされた。いっそ殺してくれようかとも思った(本当にかなりの迷惑をこうむった)。

しかしそんななかに、いつでもビシッと締め切りを守り、なんなら1日前とか2日前に上げてくる新人ライターが出てきたとしよう。遅筆軍団に悩まされ、「……いっそ殺すか?」とすら考えている担当者からすれば「コイツにまた頼もう!」と思うのは道理である。その積み重ねだけで、なんだかんだ食えてしまうのだ。

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この記事の筆者:伊達軍曹

外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めた...