自分が「老人の運転」となった時、運転免許証を返納できるのだろうか?

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今、とあるシニア世代向け雑誌からの依頼を受けて人生初の「官能小説」を執筆している。見開き(2ページ分)程度の短編ではあるが。シニア世代向けというからには想定読者も当然シニア層で、「具体的には65歳から75歳ぐらいの男女が読むと思ってください」というのが編集部からの説明であった。

老人の性も問題だろうが、自分にとって切実なのは「老人の運転」

自分はまだその世代には達していないので何ともイメージしづらいのだが、70歳ぐらいのおじいちゃんやおばあちゃんって、果たして官能小説など読むものなのだろうか? と思い、その率直なところを担当者に尋ねてみると、「むしろウチの雑誌で一番人気のコーナーです」とのこと。うむう……なるほど。老いてもなお盛んというか、人間の性とは底知れぬものなのだなぁというか、なん中華。

シニア雑誌編集部とそんなやりとりをした翌日夜、たまたま見ていたNHKの番組でも「老人の性」について特集されていた。

それによれば(あくまでそれによれば)、70歳代なれどまだまだお盛んで「せめて週に一度はヤリたい!」と思う旦那さんもいるのだが、ほぼ同世代となる奥様のほうは「もう勘弁してよ……」と思っている場合が多く(まぁそりゃそうでしょう)、またいわゆる性交痛などもあるため、いろいろ困っている……ということであった。

自分は老人の性ついて語るべき知識も見識もないため、「うむう、いろいろ大変そうですなぁ……」とつぶやくことぐらいしかできないが、ここで問題としたいのは「老人の運転」についてである。

自分が「高齢運転者」となるのは割とすぐ先の話

テレビジョンやニューズペーパー、あるいはニュースサイトなどを通じて先刻ご承知のとおり今、高齢ドライバーが関与する交通事故が増加している。

「警視庁交通総務課統計」によれば、東京都内における交通事故発生件数は平成18年が7万4287件だったが、その後は年々減り続け、平成27年は3万4274件にまで減少している。つまり10年前と比べれば警視庁管内の交通事故発生件数は半数以下になっているわけだ。

しかし交通事故のうち高齢運転者(原付以上を運転している65歳以上の者)が関与する交通事故の割合は年々高くなり、平成27年は総件数の21.5%と、10年前の約1.9倍にまで達している。ちなみに平成18年は11.6%だった。

自分は今のところ幸いにして認知機能の著しい衰えはなく、また運動機能についても中年としての人並み程度はキープしていると思われるため、クルマを運転していても特に「ヤバいな……」とか「今の、ヒヤッとしたな……」と思うことはない。いや、よく考えればないこともないのだろうが、その数は少ない。

が、人間というのは(当たり前だが)死なない限り必ず年をとる。そして中年となって以降は10年ぐらいの歳月が若い頃の3年か4年相当のスピード感ですっ飛んで行くため、今四十九の自分が65歳以上の「高齢運転者」にカテゴライズされるのは、感覚的には「割とすぐ」なのだろう。

まぁ65歳ぐらいであれば(たぶん)フツーに運転できるのだろうが、75歳ぐらいになると、さすがに少々厳しい部分が出てくるだろうことは想像に難くない。

直進してくる対向車の速度を読み誤って、交差点でいわゆる右直事故を起こす。それはマズいということで直進対向車に対して細心の注意を払おうとすると、今度は右折した先の横断歩道を渡っている歩行者への注意がおろそかになり、歩行者を跳ね飛ばす。こりゃさすがに本気でマズい……と思えればまだいいが、そう思うこともできないほど認知症が進行し、最終的には登校中の小学生の列にNAロードスターで突っ込む。

……それが、決してあり得なくはない「75歳のわたし」だ。

もしもそうなるのなら、その前までには確実に運転免許証を返納せねばなるまい。

ハゲはじめたとき、わたしは即座に断髪できるだろうか?

で、今のところ自分は「ま、大丈夫でしょう」と考えている。つまり、運転や日々の行動などに若干の「ん?」という部分を感じ、そしてそれが「ん?」ではなく「んんんんん……コレはかなりマズい……かも」という思いに変わったタイミングで、自分は「断腸の思いではあるが、いさぎよく免許を返納しよう」と決断できる男だと、自分のことを評価している。

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この記事の筆者:伊達軍曹

外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めた...