1000万円超の「走行2万km台のカレラ2」を買うための、伊達軍曹的マネー戦略

最終更新日: 公開日:2016-08-22 | Posted in カーゼニ by

そろそろ、もう一度買ってみる潮時なのかもしれない。何をって、5年前まで乗っていたタイプ964こと4世代前のポルシェ911カレラ2をだ。

潮時と思う理由は二つ。一つは、前述のとおり964を降りてから5年が経過したことで、いよいよ禁断症状が激しくなってきたということ。生来の鈍感ゆえ、所有していたときは「うむ、まぁこんなモンかな」という不遜な態度で乗っていたのだが、空冷911というのはいざ手放してみると、実はこの世に二人といない絶世の美女だったというか、ドンズバな好みのタイプであったことを強烈に理解する。

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肥大化した現代のクルマとは比べものにならないほど小ぶりで可憐なサイズ。いちいち重厚な各部のタッチ。のんびり走るのも比較的得意だが、いざ鞭を入れれば「小ぶりで可憐な女性」だなどとは死んでも例えられないほど、やたら強烈で超絶ダイレクトな挙動を見せる、その走り。背後から濃厚に押し寄せるビート感。革とオイルが微妙に交じり合った匂い。

……あーもうオレってバカバカバカ! なんであんなステキな乗り物を、せっかく手に入れたんだからそのまま乗ってりゃいいのに、手放しちまったんだ? 自分の頬とみぞおちに本気の正拳突きを食らわせたい気分である。押忍。

そして「潮時」と思う第二の理由が中古車相場だ。

10年以上前、わたしが専門誌の編集記者として各地のショップでタイプ964の取材をしていた頃は、車両価格おおむね350万円も出せば、まずまず低走行な、そして運が良ければエンジンオーバーホールも済んでいる個体を(もちろんティプトロではなく5MTを)探すことができた。

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しかしその後、皆さんご存じのとおり空冷911の中古車相場はアホほど高騰。良質な物件はとてもじゃないが350万円では買えない状況が出来した。具体的には、ちょっと低走行でフルノーマルの個体だと、5MTで1000万円弱、単なるトルコンATであるティプトロニックでも700万円ぐらいという、頭が痛くなるような相場状況が続いたのだ。

しかし市場には今、微妙な一服感がただよい、一時期と比べれば空冷911の相場も若干は落ち着いてきたように見える。あくまで一例というかイメージだが、走行5万km台ぐらいのノーマルに近い5MTのカレラ2が700万円台……みたいな。

それならばイケなくもない。たぶん。

や、冷静に考えれば、昔は似たような条件のカレラ2が350万円だったのだから、それでも高いは高い。しかし人間たるもの、無駄に冷静になってはいかんのだ。あくまで冷静に高みからチャカチャカと計算し、銀ぶちメガネをクイクイさせているだけの人生などクソつまらんではないか。もちろん冷静さや計算、老後の蓄えおよび国民年金といったものを否定するわけではないが、行くべきときにはアツく行くのが男である。人生である。

「うおおおおおおっ! もういちど買うぜキューロクヨン!!!」

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自宅長屋にてそう吠えたわたくしは、ちょっと冷静になってから財布およびネットの預金通帳を見てみた。

そこには遺憾ながら大したカネは入っていなかった。

なんとかしなければならない。カーセンサーとかの編集部に行って「原稿料を上げろ!」とデモでもするか? ……冷静に考えれば、そんなことをしてもニッコリとポライトに追い返され、その後二度と原稿の発注が来なくなるのがオチだろう。

さて困った……と腕組みをしたわたしだが、ハタと気がついた。「労働」には限界がある、と。労働以外の何か、もっとハッキリ言ってしまえば「資本家」的に、カネにカネを稼がせるような生き方をしない限り、たぶん金持ちにはなれないのだ。

そういえばわたくしはスーパーカー雑誌の取材でいわゆる富裕層の方にインタビューする機会が多いのだが、彼らはほぼ全員、自身の実業に励んでおられるのと同時に「投資」もしている。いわゆる株や為替などの取引だ。やはり「労働」だけじゃ高いクルマなど買えないのだ。そうだそうだ、そうなのだ。

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この記事の筆者:伊達軍曹

外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めた...